【コラム】城彰二
メッシとともに好機演出 アルゼンチン、ディマリア左サイド起用が奏功
2022年12月19日 22:00
サッカー
フランスも選手とシステムを変えて流れを変えて、2度追いついた。エムバペの個の力は次元が違う。2点目は体を倒しながらのボレーだったが、スピードだけでなく、技術も対応力もすごい。PK戦を含めて3本PKを決めたが、GKにコースを読まれるので駆け引きが難しい。絶対的な自信を持っているとはいえ、23歳の若さ、決勝の大舞台で結果残すところは圧巻だ。
PK戦で活躍したアルゼンチンのGKのE・マルティネスはPKに自信を持っていて、コースも読めるし、ステップを踏んでキッカーのタイミングをずらし、駆け引きもうまく、相手を飲んでいた。
南米勢としては20年ぶりの優勝だが、ヨーロッパサッカーが発展して、南米が少し下に見られていたが、力があるところを示した。ヨーロッパのクラブでも多くの南米出身の選手が活躍し、軸になっている。南米の底力を見せつけたわけだ。
大会を通じてアフリカ勢の躍進やアジアの飛躍も目を引いた。そしてオフサイドのテクノロジーなどもサッカーを変えたが、5人交代できることがサッカーを面白くした。決勝でもそのお陰で、フランスが巻き返したし、再度アルゼンチンが主導権を握った。交代で出てくる選手がスタメンと力の差がないチームが多く、日本もそこを目指さないといけないと感じた。(城彰二=元日本代表FW)