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細かい部分の質が「世界」との違い

2024年08月04日 07:00

サッカー

細かい部分の質が「世界」との違い
<日本・スペイン>準々決勝で敗退し、号泣するGK小久保(中央)(AP) Photo By AP
 【パリ五輪第8日 サッカー男子準々決勝   日本0―3スペイン ( 2024年8月2日    リヨン競技場 )】 負けたのはサッカーの質の違いだ。スペインは止める、蹴るという基礎技術が高く、日本はプレッシャーをかけられた中でのボールコントロールに差があった。先制点も三戸のコントロールミスで奪われたところから。2点目は左CKからのサインプレーでゴール前に人を集められ、その外から打たれた。あと30センチ寄せられれば防げた点だ。スペインを少しリスペクトし過ぎたかもしれない。
 ボールの回し方も違った。日本は体が向いた方向にボールを止めるが、スペインは状況によって360度どの方向にでもコントロールする。精度も高く、受け手の右に相手がいれば左足に付けるなど、細かいことを当たり前にやれる。この差が大きかった。決して歯が立たなかったわけではないが、細かい部分の質は上げる必要がある。日本は強くなったが、世界もさらに強くなっている。

 大会を通して見れば次のステージが楽しみになる発見も多かった。GK小久保は反応も良く安定感が抜群でA代表に呼ぶべき選手だ。MF藤田も技術、戦術眼に優れており、上のカテゴリーで質の高い選手と一緒にやればさらに良さが出るはずだ。DF高井も伸びしろがあるとみる。

 スペイン戦で得点を取り消されたFW細谷は良い時と悪い時の差がある。ストライカーなら常に平均値以上を見せないといけない。体の強さとスピードは武器なのでそれを磨くこと。そしてフィニッシュの精度をもっと高めてほしい。(城彰二=元日本代表FW・スポニチ本紙評論家)

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