花園の駅員ラガーマン岡村晃司 ファンに近いチーム目指す

2022年08月31日 11:04

ラグビー

花園の駅員ラガーマン岡村晃司 ファンに近いチーム目指す
ラグビーリーグワンで一番ファンに近いチーム花園を象徴するCTB岡村晃司 Photo By スポニチ
 ラグビーリーグワンの花園(旧近鉄)は昨季の2部リーグで優勝し、NTT傘下2チームの再編も合って入替戦を戦うことなく2017―18年シーズン以来5季ぶりの1部復帰を決めた。1部での「トップ4」を今季の目標に掲げる花園がチームとして目指すもう一つのアプローチがリーグワンで一番ファンに近いチームになる。
 それを象徴するのがCTB岡村晃司(24)。奈良・御所実高から帝京大に進み、2021年に地元関西に戻ることを希望して花園に入団した。御所実高時代、1、3年時に花園出場を果たし、準優勝も経験したが、帝京大ではあまり出場機会に恵まれなかった。ラガーマンとしてどこまでやれるのか。現役引退後のことも考えて花園ではプロではなく社員契約を選んだ。

 2021年7月からは近鉄大和高田駅に勤務しながらラグビーを続け、昨季は2部の全12試合中1~3位決定戦2試合を含む11試合に出場。そのうち8試合で先発した。トライ数こそ3と決して多くはないが、攻守でその存在感を示し、主力として定着した。今季は「昨シーズン72パーセントだったタックル成功率を85~90パーセントに上げたい」と守備力強化に取り組んでいる。

 その岡村が掲げるもう一つの目標がチームスローガンでもある「近鉄漢―KINTETSU MAN」として広くファンに知ってもらうこと。近鉄大和高田駅に勤務中は車いすを利用する乗客への対応や電話の応対などの業務に従事しているが「まだ、お客さまから声を掛けられたことはないです」という。

 岡村のほか、プロップ浅岡勇輝(29)が鶴橋駅、フッカー松田一真(24)は生駒駅、SH佐原慧大(27)とCTB小野木晃英(25)は八尾駅、SH河村謙尚(22)は本拠地花園ラグビー場最寄りの東花園駅に勤務している。

 その東花園駅ではSO吉本匠(24)が駅構内のアナウンスを担当。同駅には吉本の声で「花園近鉄ライナーズの吉本匠です。駅や車内への危険品の持ち込みは禁止されています。不審物や不審な行為にお気づきの場合は駅係員や乗務員までお知らせください。花園近鉄ライナーズへのご声援よろしくお願いいたします」とのアナウンスが流れている。

 この駅構内アナウンス。吉本以外にもCTB片岡涼亮(24)が大阪難波駅、佐原が日本橋駅、浅岡が鶴橋駅、SO野口大輔(29)が大阪上本町駅などで担当している。ラグビー場や地域交流イベント以外で普段選手と交流できるのは花園ならではといえる。

 2部では順位決定戦も含め12試合だった試合数が1部では目指すプレーオフも含めると18試合に増え、注目度も上がる。練習拠点でもある花園ラグビー場へ自転車で通う選手も多い花園。駅で通勤道路で、ファンから声を掛けられる機会は増えるかもしれない。
 

おすすめテーマ

2022年08月31日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム