堀川恵が“鬼門”の女子63キロ級で世界一 日本女子12年ぶり 柔道世界選手権

2022年10月09日 23:13

柔道

堀川恵が“鬼門”の女子63キロ級で世界一 日本女子12年ぶり 柔道世界選手権
 柔道の世界選手権女子63キロ級で初出場優勝を果たし、金メダルを掲げ笑顔の堀川恵 Photo By 共同
 【柔道世界選手権第4日 ( 2022年10月9日    ウズベキスタン・タシケント )】 女子63キロ級は堀川恵(26=パーク24)が決勝で東京五輪銅メダルのカトリーヌ・ボーシュマンピナール(カナダ)に一本勝ちし、初出場初優勝を果たした。日本勢の五輪を含めた世界大会での同階級制覇は、10年世界選手権の上野順恵以来、12年ぶりの快挙。24年パリ五輪代表争いでも大きくアピールした。
 終了間際に放った内股で一本を決めると、勝負師の表情は一瞬で満面の笑みとなった。今月18日に27歳の誕生日を迎える堀川が、長年日本勢が苦戦を強いられてきた階級を12年ぶりに制覇。「若手ではない。勢いよりも経験値を生かしたい」と意気込んでいた初舞台で、最後の最後に伝家の宝刀がさく裂した。

 長野・松商学園校2年だった12年12月のグランドスラム(GS)東京大会を史上最年少の17歳1カ月で制覇。同級五輪2連覇の谷本歩実に憧れ、同じく跳ね飛ばすような内股を武器に将来を嘱望される存在だったが、その後は国際大会で勝てず。筑波大4年だった17年には選抜体重別を初制覇し、世界選手権代表に選出されるとみられたが、同級は派遣選手見送り。「心が折れそうになった」と大きな失意を味わった。

 転機は社会人3年目の20年7月。警視庁柔道部に所属する夫と結婚し、「新しい自分という感じで」と選手登録も旧姓の津金から堀川姓に変更した。その後は「家で一緒に映像を見て助言をくれる」と夫と二人三脚で柔道を極めた。内股にこだわり過ぎた過去の自分を捨て、寝技など柔道の幅を広げたことで急成長。今年2月のGSエルサレム大会では、10年ぶりのGS制覇を成し遂げ、一気に世界一まで上り詰めた。

 日本では珍しい、ミセスの世界女王の誕生。10年前は想像もしなかったであろう柔道人生を歩み、憧れの五輪をはっきりと視界にとらえた。

おすすめテーマ

2022年10月09日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム