38歳国枝「おじさんパワー」連覇 伸び盛り16歳相手に意地の2時間27分タイブレーク激闘

2022年10月09日 05:01

テニス

38歳国枝「おじさんパワー」連覇 伸び盛り16歳相手に意地の2時間27分タイブレーク激闘
車いすの部シングルスの表彰式でポーズをとる、優勝した国枝慎吾(左)と2位の小田凱人 Photo By 共同
 【男子テニス楽天オープン第6日 ( 2022年10月8日    東京・有明テニスの森公園 )】 車いすの部シングルス決勝で、前回19年大会覇者で世界ランキング2位の国枝慎吾(38=ユニクロ)が6―3、2―6、7―6で世界5位の小田凱人(ときと、16=東海理化)に競り勝った。16歳の新星に追い詰められながら、連覇を達成。日本人対決には16年以上負けておらず、87連勝となった。シングルス準決勝は世界11位のテーラー・フリッツ(24=米国)、世界19位のフランシス・ティアフォー(24=米国)が勝ち、きょう9日の決勝に進んだ。
 連覇達成後の優勝スピーチ。国枝は「凱人が出てきたときに“いつかやられる日が来る”と思った。“それが今日かな”と試合中に何度も頭をよぎったが“まだまだおじさんのパワーを見せる”“もう少しだけ勝たせてくれ”と思いながらプレーした」と2時間27分の激戦を振り返った。

 4月にプロ転向した16歳の新星に苦戦し、総得点は相手の94を下回る93。最終セットは第7ゲームで4度のマッチポイントをものにできず、相手サーブの第12ゲームにはあと2点失えば敗戦という状況に追い込まれた。タイブレークの末に競り勝ち、日本人対決は87連勝。06年7月の全英オープンで斎田悟司に敗れたのを最後に16年以上も負けていない。

 車いすテニスでは異例の1万人近い観衆の前で生まれた名勝負。国枝は「僕が引退したとしても彼がお客さんを引きつけてくれる」と小田に太鼓判。その上で「引退っぽくなっちゃったけど、もう少しやろうと思っています」と宣言した。22歳下のライバル出現が現役続行への新たなモチベーションになる。

 ≪小田、胸張る2位≫あと一歩で大金星を逃した小田は涙を流し「これは悔し涙ではない。うれしい。夢の場所で、夢の相手。その中で冷静にプレーできたのは評価できる」と胸を張った。21年4月に史上最年少の14歳11カ月でジュニア世界1位に輝いた逸材。今年4月にプロ転向し、4大大会デビューした全仏オープンで4強入りした。憧れの存在である国枝には過去3戦全敗。4度目の対戦で初めてセットを奪った。最終セットは1―5から5ゲームを連取。「初めてゾーンを経験した。新しい自分を見つけられた」と手応えを強調し「うまくいかない時に次の手がない。プレーの幅を広げたい」と課題を口にした。

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