【豆腐ダイエット】痩せるの?痩せないの?栄養と効果をMAXにする食べ方【管理栄養士監修】

2023年06月15日 09:00

【豆腐ダイエット】痩せるの?痩せないの?栄養と効果をMAXにする食べ方【管理栄養士監修】
ヘルシーでダイエットに最適な食べ物といったイメージの豆腐。良質なたんぱく質が豊富で低脂質、そのうえカルシウムや鉄、ビタミンB群、ビタミンEなど多くの栄養素も含み、食べて健康的に痩せるためにはうってつけのように思えます。 […]

ヘルシーでダイエットに最適な食べ物といったイメージの豆腐。良質なたんぱく質が豊富で低脂質、そのうえカルシウムや鉄、ビタミンB群、ビタミンEなど多くの栄養素も含み、食べて健康的に痩せるためにはうってつけのように思えます。

中には、夜だけ豆腐の置き換えダイエットをしている人もいるのでは。

近年、宇宙栄養学の分野で大豆たんぱく質が筋肉の萎縮を抑制し、大豆を毎日食べることで筋肉量や筋力がアップあるいは維持できるという研究結果が報告されました。筋トレに励むトレーニーやランナーには、もはや豆腐は必須なのでは!?

そこで今回は、豆腐がなぜダイエットにいいのか、効果を最大限に活かすにはどう食べたらよいのか、またデメリットはないのか、豆腐のキホンから丁寧に紐解いていきます。Japanマラソンクラブのマラソンインストラクターでもある管理栄養士の深野裕子さんに聞きました。

豆腐は何からできている? 原材料と種類

豆腐には、絹ごしと木綿のほかにもさまざまな種類があります。原材料は同じですが、仕上げの工程が異なります。

豆腐の原材料は「大豆・にがり・水」

豆腐は、水に浸して柔らかくした大豆に、水を加えながらすりつぶした「呉」をこして豆乳にし、にがりで固めたものです。

固める際に絹ごしは箱型に入れて固めるのみですが、木綿は布を敷いた穴のあいた箱型に入れ、重しをして水を切りながら固めます。

  • 絹ごし豆腐:なめらかで柔らかく、吸水総量は原料大豆の5~6倍
  • 木綿豆腐:圧搾成型されたやや固めの豆腐で、圧搾時についた布目が名の由来
  • おぼろ(寄せ)豆腐:にがりを加えたあと、固まりきる前にすくいあげた柔らかい豆腐
  • 充てん豆腐:合成樹容器に充てんし加熱殺菌して固めたもので、賞味期限が長い
  • 凍り豆腐:豆腐を凍らせたあと乾燥させたもので、高野豆腐、凍み豆腐ともいう

たまご豆腐は豆腐じゃない!?

たまご豆腐やゴマ豆腐、杏仁豆腐など豆腐の種類と思いがちですが、これらは豆腐ではありません。豆腐のような見た目の豆腐もどきを指す名称で、かわり豆腐ともいいます。

豆腐の種類で栄養やカロリーは異なる! 超低カロリーな「絹どうふ」、高たんぱくの「木綿どうふ」

豆腐は種類(製法)によって、実は栄養価に若干の違いがあります。以下は、絹ごし豆腐、木綿豆腐、凍り豆腐の3種類の豆腐の栄養成分です。

<豆腐の種類別栄養成分>

※日本食品標準成分表2020年度版(八訂)をもとに作成
※大豆イソフラボン数値:参考文献『栄養の「こつ」の化学』(柴田書店・佐藤秀美) 
※食品成分表2021 アミノ酸成分表・脂肪酸成分表・炭水化物成分表をもとに作成

大豆を豆腐に加工する過程で、水分や油分を絞ったり凍らせて乾燥することで栄養成分は凝縮していきます。

ダイエットには絹ごし、トレーニーやランナーなどタンパク質重視なら木綿というように、目的によって選ぶのもいいかもしれません。

豆腐の種類別の特徴まとめ

  • 絹ごし豆腐:ボリュームがあるのにエネルギーが低い
  • 木綿豆腐:栄養素が凝縮されているのでたんぱく質やカルシウム、鉄が豊富
  • 凍り豆腐(高野豆腐):水分がなくなった分栄養素がぎゅっと詰まっている

ごはんを豆腐に置き換えると痩せる? 置き換えダイエットの罠

高たんぱく低カロリーで栄養価も高い豆腐。なかでもボリュームがあってエネルギーの低い絹ごし豆腐が、ダイエットには有効そうです。

炭水化物(糖質)もお茶碗1杯分のごはん(150gで53.4g)より断然低い! ならば、ごはん代わりに豆腐というのはあり?

「豆腐はダイエットに適している食材で、食事の中で上手に使うことで効果的にダイエットができることには間違いないのですが、ごはんの代わりに豆腐を置き換えておかずは変わらず食べるという方法は基本的におすすめしません」(深野さん)

その理由とは。

ごはんの代わりに豆腐を置き換えて、おかずは変わらず食べるという方法はおすすめしない。その理由は、必要なエネルギーが不足したり、栄養バランスが偏ってしまう可能性があるから。

「ダイエットを意識するあまり、エネルギーや糖質が不足している状態では筋肉のたんぱく質分解が促進して筋肉量が減ってしまいます。代謝が落ち、かえって瘦せにくくなってしまいます」(深野さん)

主食のごはんを必要量とり、主菜となるおかずで肉をメインだったところを豆腐にする、肉の量を半分にして豆腐に置き換えるといった方法のほうが、摂取したいたんぱく質はそのままに、食事全体の脂質の量を減らしたり、脂質の質を変えることができるとのこと。

豆腐に含まれる脂質は約8割が不飽和脂肪酸で、カラダに必要な脂肪酸。もちろん、摂り過ぎれば太ります。

豆腐は、1日1/3~1/2丁(100~150g)が摂取目安です。

いつ食べればいい? ダイエット効果を高める摂取タイミング、おすすめの食材

また、ダイエット効果を高める摂取タイミングは朝食、組み合わせるといい食材はキムチとのこと。

「朝食でしっかりたんぱく質を摂取している人のほうが筋肉量の維持・増加に有効である可能性が示されています。筋肉量が維持される(増加する)ことで代謝を高めて痩せやすいカラダをつくることができるので、たんぱく質が不足しがちな人は手軽にプラスできる豆腐を取り入れてみてください」(深野さん)

《ダイエット効果がアップする豆腐+αの組み合わせ》

豆腐×キムチ

「キムチに含まれるカプサイシンはアドレナリンを活性化させ、血行や発汗を促し脂肪燃焼に効果的! キムチチゲなど温かい鍋や汁・スープなら食事誘発性熱産生も高く、エネルギー消費量が増えます。豆腐のボリュームと汁ものでの満足感の高さはダイエット中におすすめです」(深野さん)

畑の肉・豆腐はトレーニー&ランナーに必須の食材!

トレーニーやランナーは必要なたんぱく質量が増えますが、たんぱく質の多い肉や卵、牛乳・乳製品はどうしても脂質が増えがちに。豆腐を食事に取り入れることで脂質の摂取量を抑えながら、たんぱく質量を確保しやすいのが豆腐のうれしいポイント、と深野さん。

さらに、食事の中で不足しやすいカルシウムや鉄などのミネラルの供給源であることや、エネルギー代謝に必要なビタミンB群も含まれているところもトレーニーやランナーにはおすすめのポイント。

豆腐に含まれる大豆特有の大豆イソフラボンにも注目とも語ります。

「大豆イソフラボンには抗酸化作用があり、特に強度が高いトレーニングや長時間のトレーニングで発生した大量の活性酸素の除去や抑制に役立ちます。また、女性ホルモンに似た作用を持ち、女性のトレーニーやランナーは注目すべき栄養素といえますね」(深野さん)

《トレーニー&ランナーにおすすめの豆腐の効果的な食べ方》

豆腐とわかめの味噌汁

「たんぱく質が不足しがちな朝食におすすめです。ごはんと一緒に食べれば、ごはんに不足しがちな必須アミノ酸のリジンを、リジンが豊富な豆腐と味噌を組み合わせることで必須アミノ酸をバランスよく摂ることができます。わかめには水溶性の食物繊維が含まれ、腸内環境を整えるのにも役立ちます。朝に温かい汁ものを摂ることで体温がしっかり上昇し、運動時のパフォーマンスも高めることが期待されます」(深野さん)

肉豆腐

「トレーニング後のたんぱく質補給に。肉と豆腐を組み合わせて摂取することで、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を組み合わせて摂ることができます」(深野さん)

豆腐と白身魚の鍋

「夜遅い夕食時など、高たんぱく質・低脂質の豆腐は強い味方に。より栄養素を強化するなら木綿豆腐、エネルギーを控えたいなら絹豆腐がおすすめ」(深野さん)

豆腐の冷凍保存はOK?

豆腐は冷蔵庫での保存が基本ですが、冷凍することもできます。ただし、絹ごしのなめらかな喉ごしは失われてしまいます。そのかわり肉のような食感になります。

残ったお豆腐を冷蔵庫で保存する場合は、豆腐をタッパーなどに入れてひたひたにお水をはります。ふたをして毎日水を取り替えながら、冷蔵庫で2~3日保存できます。

冷凍保存も可能!

冷凍する場合は、水気をキッチンペーパーなどでふき取り、ひと口大にカットして1つずつラップで包み冷凍庫へ。

完全に凍ったらチャック付きの保存袋にラップのまま入れ、冷凍庫で3週間ほどは保存可能です。

解凍する場合は、キッチンペーパーに包んで室温で解凍するか、ラップで包んだまま600Wのレンジで片面ずつ2分程度過熱します。その後、粗熱を取り水気を絞ります。

解凍後の豆腐は、唐揚げやナゲット、煮込み料理などに向きます。木綿はより肉っぽいしっかりした食感に、絹ごしはソフトでフワッとした食感が楽しめます。

賞味期限が切れたらどうすればいい?

豆腐の賞味期限は一般的に未開封で5~7日ですが、開封後は冷蔵庫で2~3日が目安です。賞味期限が切れてしまい不安な場合は、以下を参考にチェックしてみてください。

  • すっぱいニオイ、生臭いニオイは腐敗が進んでいます
  • 黄色、緑色、黒など変色が一部でも豆腐全体に腐敗が進んでいます
  • 食べてみて、酸味や苦みはNG。ニオイや色は変わらなくてもアウト

豆腐とは。豆腐の歴史と由来

最後に、豆腐の歴史と種類です。

豆腐は奈良時代に中国から仏教とともに伝来したとされ、平安時代後期になって初めて豆腐が文献に記されます。

その後、鎌倉時代に禅宗が伝わると、修行で食べられる精進料理で不足しがちなたんぱく質を補うため、僧たちの間で豆腐が食べられるようになりました。

しかし豆腐は長らく特権階級の食べ物で、江戸初期までは徳川家康とその子・秀忠が、うどんや蕎麦とともに農民が普段の生活で豆腐を食べることを禁じていたほどです。

そんな贅沢品であった豆腐がようやく庶民の食卓に上るようになったのは、江戸中期のこと。天明2(1782)年に出版された『豆腐百珍』という豆腐料理ばかり集めたレシピ本が大ベストセラーとなり、続編が2冊も出版されるほどの大ブームとなりました。

[監修者プロフィール]
深野祐子(ふかの・ゆうこ)
管理栄養士・ジョギングインストラクター。Japanマラソンクラブでインストラクター兼フードアドバイザーとして市民ランナーに向け走り方の指導や食事の指導を行なう。
【Japanマラソンクラブ公式サイト】https://www.jmcrun.com/

<Text:京澤洋子(アート・サプライ)>

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