×

【筋肉痛はいいこと?】筋肉に効いてる証拠なのか。悪い筋肉痛の見分け方も[整形外科医監修]

2023年07月05日 09:00

【筋肉痛はいいこと?】筋肉に効いてる証拠なのか。悪い筋肉痛の見分け方も[整形外科医監修]
「筋肉痛は筋肉がついている証拠」という噂を聞いたことはありませんか? 本当ならば、筋トレ民にとって筋肉痛はいいことと言えますが、本当なのでしょうか……。整形外科のお医者さんに「筋肉痛はいいことなのか」真相を聞いてみました […]

「筋肉痛は筋肉がついている証拠」という噂を聞いたことはありませんか? 本当ならば、筋トレ民にとって筋肉痛はいいことと言えますが、本当なのでしょうか……。整形外科のお医者さんに「筋肉痛はいいことなのか」真相を聞いてみました。

他にも、よくない筋肉痛の判断基準や筋肉痛の治し方なども解説します。筋肉痛について改めて理解して、筋肉を育てていきましょう!

そもそも、筋肉痛とは? なぜ起こるのか

筋肉痛が起こるメカニズムは、完全には解明されていません。現段階で、考えられる「筋肉痛が起こる仕組み」は以下の通りです。

  1. 運動などによって筋肉へ負担がかかる
  2. 筋線維が傷つく
  3. 筋線維を修復する際に炎症が起こる
  4. ブラジキニンやヒスタミンなどの、痛みを生み出す物質が放出される

▼ この記事も読まれています

筋肉痛、なぜ起きる?原因、症状が出やすい運動、痛みを和らげる対処法

結局……筋肉痛っていいこと?

筋肉をつけたい人にとって、筋肉痛は「いいこと」と言えるでしょう。

筋肉を使うと筋繊維に小さな裂け目ができ、この裂け目を修復しようと、炎症や痛みが引き起こされます。これが筋肉痛です。しっかりと筋肉を使った場合、「筋繊維に裂け目ができる→修復される→以前よりも強い筋肉になる」ということが起きるため、筋肉をつけたい人にとって筋肉痛はいいことと言えるのです。

つまり、筋肉痛は筋肉がついている証拠! 筋トレを頑張った自分へのご褒美と言って良いかもしれませんね。

筋肉痛の時にやらない方がいいことは? NG行動

\次:○○すると筋肉が成長しない……/

筋肉痛が残っているときの高負荷な筋トレや運動は、おすすめできません。

休息をとらずにトレーニングを行うと、筋肉が十分に回復する前に再び筋肉が破壊されてしまうため、筋肉が成長しません。また、以下のようなデメリットも生じてしまい、効果的にトレーニングを行えなくなってしまいます。

  • 痛みで全力を出せない
  • 痛みで集中できない
  • 痛みで関節可動域が狭くなる

▼ この記事も読まれています

筋肉痛でも筋トレしていい?休むべき?トレーニングのウソ・ホント

筋肉痛はどれくらいの日数続くのか

筋肉痛は、1週間ほど続くことが多いです。個人差がありますが、痛みの経過としては以下の通りです。

  1. 痛み始めてから、2〜3日後で最も痛みが強くなる
  2. 4日後ぐらいから、一気に痛みが取れ始める
  3. 7日後ぐらいには、痛みが消える

筋肉痛が1ヶ月以上続く場合は、肉離れの可能性などが考えられるので、整形外科の受診をおすすめします。肉離れを放置すると、症状が悪化・慢性化する可能性があり、日常生活に悪影響を及ぼしてしまうでしょう。

筋肉痛 女性▼ この記事も読まれています

“筋肉痛が治らない”原因は…老化?栄養不足?早く治す方法&予防方法

よくない筋肉痛もある? 見分け方

お医者さんの視点から見て、「よくない」と言える筋肉痛もあります。

それは、筋肉痛の痛みに似た「筋腱付着部炎」です。これは、「筋肉や腱」と「骨」の付着部に起こる炎症で、痛みが長引くことが多いのが特徴です。

また、筋肉痛よりも痛い場合が多い「肉離れ」にも注意が必要です。重症な場合は、内出血を伴ったり、筋肉が凹んでしまったりすることがあります。

「いい筋肉痛」と「よくない筋肉痛」の見分け方とは

  • 1週間以上痛みが続く
  • いつもの筋肉痛とは違う痛みがある
  • 痛みが強すぎて、日常生活に支障が出ている
  • 内出血を伴った痛みがある
  • 痛みがある部分の、筋肉が凹んでいる

という場合、よくない筋肉痛であることが多いです。整形外科の受診をおすすめします。

筋肉痛のときでもOK! 筋肉増強のためにできること

筋肉痛が起きているということは、筋肉に負担がかかっているということ。そのため、できる限り休息を取った方が良いですが、筋肉痛でも体を動かしたいという人もいるでしょう。ここでは、筋肉痛の時でもできる筋肉増強方法をご紹介します。

負荷が低い、軽めの運動をする

筋肉痛の時は、筋肉に負担をかけない低負荷の運動ならしても良いでしょう。低負荷と言っても無理は厳禁。息が軽くあがる程度に抑えておきましょう。

▼ 低負荷のおすすめ運動

【室内散歩8分】運動不足の解消のおすすめ。程よい負荷で、初心者向けのお部屋ウォーキング

▼ 低負荷のおすすめ運動

【筋トレ入門】全身のトレーニング8分。適度な負荷で、初心者でも安心。全身の引き締めに(今日から頑張る)

筋肉痛がない部位の筋トレを行う

筋肉痛の出ていない筋肉は、基本的に鍛えても問題ないです。「腕が筋肉痛ならば、下半身を鍛える」「腹部が筋肉痛なら、肩を鍛える」など、筋肉痛の場所を避けてトレーニングをすると良いでしょう。

とはいえ、過度な筋トレは、慢性疲労の状態につながります。倦怠感・息切れ・食欲低下・不眠の原因になるので注意してください。

▼ この記事も読まれています

ストイックな人が陥る「オーバートレーニング状態」とは。原因・症状・予防法を解説

筋肉痛を早く治す方法

十分な休息を取る

筋肉痛は、筋肉が疲れているサイン。なので、痛みがある部位に負荷をかけずに、休めてあげましょう。

痛みがある中、無理をして酷使をすると、筋肉や関節に慢性的なダメージが加わる可能性があります。その結果、痛みや炎症が悪化することもあるので注意してください。

アイシング

筋トレや運動をしたことで熱を持った筋肉へは、アイシングをするのもおすすめ。筋肉を冷やすことで、炎症を抑えられ、痛みが軽減すると考えられます。

しかし、筋肉痛が出た1〜2日後にアイシングをしてもあまり意味はありません。アイシングは、炎症が起こる前の運動直後に行うのがおすすめです。

アイシングのやり方

  1. 氷嚢やビニール袋に氷水を作る
  2. 熱を持った筋肉に当て、10~20分冷やす

アイシングの注意点

氷を直接肌に触れさせないようにしてください。

氷を肌に直接触れさせると、皮膚や神経にダメージを与える可能性があります。氷水はタオルや布で包んで、肌へ当てましょう。

ストレッチ

ストレッチで筋肉の緊張をほぐすことで、痛みを抑えられる可能性があります。運動直後は体をゆっくりと伸ばす静的ストレッチ(スタティックストレッチ)を行いましょう。

過度なストレッチや運動は、痛みを悪化させる可能性があるため要注意です。

静的ストレッチ(スタティックストレッチ)とは

静的ストレッチ(スタティックストレッチ)とは、同じ姿勢をキープし、ゆっくりと筋肉を伸ばすストレッチ方法です。

入浴して体を温める

筋肉痛の時は、40度程度お湯に浸かって体を温めましょう。

体を温めることで血行が良くなり、筋肉に酸素や栄養素が効率的に供給されます。その結果、筋肉痛の解消に役立つでしょう。

\MELOSトレーナーの解説動画

この記事を監修した人

なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック
院長 樋口 直彦 先生

なか整形外科樋口 直彦

帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。バレーボールVリーグ「サントリーサンバーズ」のチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。

<Text:編集部>

おすすめテーマ

2023年07月05日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム