NBAサンズと契約の渡辺雄太　10チーム以上が獲得に興味「今はお金じゃない。やりたい場所でやる」

2023年07月09日 10:13

バスケット

NBAサンズと契約の渡辺雄太　10チーム以上が獲得に興味「今はお金じゃない。やりたい場所でやる」 — 渡辺雄太 Photo By スポニチ

　NBAサンズと契約した日本代表の渡辺雄太（28）が9日、オンラインで取材に応じた。米メディアによると、2年総額500万ドル（日本円約7億2000万円）の契約を締結。昨季限りでネッツとの契約が切れて今オフはフリーエージェントとなったが、交渉解禁初日の6月30日に合意した。

　10以上のチームから獲得に興味を示される中、自身がフィットできそうなチームに絞って交渉。サンズよりも高額なオファーを受けたチームもあったが「去年まで一緒にプレーしたKD（デュラント）もいて、サンズは行きたいチームなので決断に時間はかからなかった。今はお金じゃなくてやりたい場所でやるのが大事だと思った。優勝だけを目指してやっていくチームで、優勝の手助けをしたい」と所属を決めた。滞在していたロサンゼルスまで実際に幹部が来て、クラブのオーナーとも電話で対談。サンズ側の熱意も決断の決め手となった。

　ドラフト外でNBA入りし、5年前のデビューから地道な努力を重ね、昨季は3点シュートとディフェンスを武器とする「3＆D」として信頼を獲得。過去3チームでは入団時は立場が確約されず、自らの置かれた状況を「崖っぷち」と表現することがあったが、今季は貴重な戦力としてフル回転が期待される。

　W杯（8月25日開幕、日本、フィリピン、インドネシアの3カ国共催）に向けて合宿中の日本代表（世界ランク36位）には今月下旬に合流予定だ。21年の東京五輪では本番前の強化試合からフル回転して、五輪後に故障。21～22年シーズンは出遅れただけに「（W杯前の）強化試合はミニッツ（出場時間）を制限することになる。話し合いながら決めていこうと思っている。8月25日に最大のコンディションをもってこられれば」と語った。

　W杯は1次リーグでドイツ（同11位）、フィンランド（同24位）、オーストラリア（同3位）と同組。八村（レーカーズ）は来季NBAの準備に専念するため欠場する。渡辺は「僕はもともとチームが決まろうが、決まらないがW杯に出るつもりだった。自分はリーダーとして引っ張っていかないといけない。NBAとは違い、いろんなことが求められるので、成長した姿を見せたい」と力を込めた。