バスケ日本 台湾に快勝 富永啓生3点シュート4発躍動

2023年07月09日 05:05

バスケット

バスケ日本 台湾に快勝 富永啓生3点シュート4発躍動
<日本・台湾>第1クォーター、3ポイントを決める富永(撮影・西尾 大助) Photo By スポニチ
 バスケットボールのW杯(8月25日開幕、日本、フィリピン、インドネシアの3カ国共催)に向けた国際強化試合が8日に浜松アリーナで行われ、世界ランク36位の日本は同69位の台湾に108―86で快勝した。昨年7月のアジア杯以来、約1年ぶりの代表戦となった富永啓生(22=米ネブラスカ大)が3点シュート5本中4本を決めて12得点の活躍。チームは9日も台湾と対戦する。
 満員4210人の観衆を集めた会場がどよめいた。第1Q残り1分18秒。センターライン付近でボールを持った富永が相手に体をぶつけられて体勢を崩しながら左手一本でリングを射抜いた。「ファウルをもらいにいくイメージだったけど、笛が鳴らず前に誰もいなくて打つしかない状況だった。打った瞬間、入ると思った」。体に染みついた技術はバランスを崩した程度では揺るがなかった。

 昨年7月のアジア杯以来、約1年ぶりの代表戦。第1Q残り5分5秒から途中出場し、圧巻のプレーを見せた。第1Qだけで3本の3点シュートを成功。第3Qにも外から沈め、成功率80%(5本中4本)を記録した。フリースローは全3本を外したが、12分38秒出場で12得点。3月8日のネブラスカ大のシーズン最終戦以来4カ月ぶりの公式戦で「ゲーム勘が鈍っているところはあった」と言うが、ブランクを感じさせなかった。

 今オフは大学卒業を待たずにNBAのドラフト対象選手となる「アーリーエントリー」制度に申請。5月にはペーサーズの練習に参加し、最終的に大学で来季もプレーするため申請を取り下げた。NBA入りを目指し、ここ数年は肉体改造に着手。筋力トレに加え、1日5~6食で体重は1年で約10キロ増。体形が変化しても連日300~500本の3点シュートを放つことでシュートタッチをキープした。

 東京五輪に出場した3人制を除けば、国内の試合は1試合平均39・8得点で得点王に輝いた高校3年時の全国選手権以来。尊敬するステフィン・カリー(ウォリアーズ)と同じ背番号30を自らの希望でつけ「自分の好きな番号でプレーできるのはうれしい」と実感を込めた。チームとして47本中21本が決まり、成功率44・7%を記録した3点シュートは日本の生命線。和製カリーと称される富永の存在なくして、W杯での躍進はない。

 ◇富永 啓生(とみなが・けいせい)2001年(平13)2月1日生まれ、愛知県出身の22歳。岩成台中―桜丘高を経て、19年に米レンジャー短大に進学。21年にネブラスカ大に編入した。3人制代表だった東京五輪は8試合で全選手中6位の通算55得点を記録した。5人制の日本代表は22年7月1日のW杯アジア予選オーストラリア戦でデビュー。「和製カリー」の異名を持つ。父は2メートル11の長身で98年世界選手権代表の啓之氏、母も元実業団選手。左利きのシューティングガード。身長1メートル88。

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