堀川隆延氏 福井はFW第3列の厚み増してくれる存在 ナイカブラも危機管理能力光った

2023年07月09日 05:14

ラグビー

堀川隆延氏 福井はFW第3列の厚み増してくれる存在 ナイカブラも危機管理能力光った
<日本・オールブラックスXV>後半、タックルされながらもボールをつなぐナイカブラ(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 【ラグビー リポビタンDチャレンジカップ2023第1戦   日本6-38オールブラックスXV ( 2023年7月8日    東京・秩父宮 )】 【堀川隆延・深掘り】W杯イヤー初戦は6―38で敗れた日本代表。タックルを磨いてきたディフェンスや、ノートライに終わった攻撃面の課題は何か。6月の浦安合宿第2クールまでスポットコーチを務めたリーグワン静岡の堀川隆延ヘッドコーチ(49)が、80分間を振り返る。
 スコア上は完敗だが、悲観することはない。許した5トライ中4トライは、昨年10月のオールブラックス戦同様に、セットピースが起点。足りなかったのはディフェンスのラインスピード(前に上がる速さ)。チーム状態がいい時はラインスピードが速く、2つめのパスで接点にできていた。ラインスピードをより磨き、改善することで、アタックのチャンスも増えてくる。

 浦安合宿で取り組んだタックルセッションの成果は出ていた。要所でブレークダウン(接点での攻防)で体を当て、ドミネート(相手を制圧する)タックルもあった。特に左右の15メートルラインの間の中央のエリアでは、タイトファイブ(FW第1、2列の選手)のディフェンスが機能していた。相手攻撃の起点では勢いを止めており、成果を見て取れた。

 個人では“代表デビュー”となった福井とナイカブラのプレーに光るものがあった。福井はブレークダウンでのターンオーバーが2回あり、強さを発揮。より広いスペースをカバーする必要のある7番(右フランカー)というポジションで、ターンオーバーを奪えたのは収穫。FW第3列の厚みが増してくれる存在になると思う。ナイカブラもドミネートタックルや危機管理能力を発揮してくれた。

 攻撃面では1次目の攻撃で速いパス出しができるかどうかが重要になる。今日はパスミスが多く、最初の起点でもモメンタム(勢い)を生めていなかったのがノートライに終わった要因。姫野のようなボールを前に運び、ゲインラインを切れる選手が先発すれば、変わってくるだろう。

 一番の課題はペナルティーが12個出た規律だ。どれだけ頑張ってディフェンスをしても、ペナルティー一つで自陣進入を許す。初戦をあまり言い訳にしたくないが、組織的に高めていく必要がある。(静岡ヘッドコーチ)

 ◇堀川 隆延(ほりかわ・たかのぶ)1973年(昭48)7月22日生まれ、宮崎県延岡市出身の49歳。延岡東高からラグビーを始め、早大を経て97年4月にヤマハ発動機入り。現役時代は主にSOでプレー。05年に引退し、06年に監督就任(1期目)。09年に退任し、10年の復帰(2期目)を経て、19年に三たび監督に就任(3期目、現在の呼称はヘッドコーチ)。17年から日本代表でスポットコーチなどを兼任。愛称はホリさん。

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