二所ノ関親方が名古屋場所占う 3人同時大関昇進へ朝乃山が鍵 上位総当たりの位置に復帰

2023年07月09日 05:00

相撲

二所ノ関親方が名古屋場所占う 3人同時大関昇進へ朝乃山が鍵 上位総当たりの位置に復帰
朝乃山が大関昇進を狙う3関取の壁となる Photo By スポニチ
 大相撲名古屋場所は9日に名古屋市のドルフィンズアリーナで初日を迎える。横綱・照ノ富士(31=伊勢ケ浜部屋)の連続優勝や新大関・霧島(27=陸奥部屋)の誕生に加え、豊昇龍(24=立浪部屋)、大栄翔(29=追手風部屋)、若元春(29=荒汐部屋)の3関脇の大関獲りと話題は満載。本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は3人同時昇進を期待し、今場所のキーマンには朝乃山(29=高砂部屋)の名を挙げた。
 今場所は史上初の3人同時昇進が懸かります。なかなか巡り合えないチャンス。角界を盛り上げるためにも快挙を期待しています。

 直近2場所の成績は大栄翔が22勝で豊昇龍、若元春より1勝上回っていますが、条件的には横一線。場所前の調整では豊昇龍のムードが良さそうです。出稽古では霧島に10連勝するなど好調が伝えられ、いい雰囲気で臨めるのではないでしょうか。独特の緊張感の中で、自身が前向きになれる環境をつくることも大事な要素。まだ粗削りではありますが、それだけ成長の余地も残しています。

 若元春は私と同じ左四つなので、少しひいき目になるのはご勘弁していただきたい。伝家の宝刀「左四つ」。形があるということは、言い換えると修正する時に明確なテーマを立てやすい利点がある。大崩れしない安定感があるのは魅力。豊昇龍同様に一度も勝っていない照ノ富士を破り有無を言わせぬ内容で上がってほしいものです。

 逆に横綱から何度も勝利を挙げ持ち味を発揮してきたのが大栄翔です。3人の中では唯一優勝経験もあります。勝ち出したら止まらず、負け出しても止まらない突き押し。安定感を心配する声もありますが、先場所は連敗を2で止めました。やることはただ一つ。変に四つ相撲を試みたりすることなく、突き押し一本で突き進むことが大関への近道です。

 今場所は朝乃山が久々に上位総当たりの位置に戻ってきました。優勝経験もあるし、元大関の意地もある。3関脇にとっては朝乃山がキーマンになるかもしれません。復帰した昨年名古屋場所からの1年は力だけで勝ってきた印象。技術的なものは成長を感じていないのも事実です。期待が大きいので厳しい評価ですが、大関より上を狙うなら生まれ変わった姿を披露してほしい。

 夏場所で復活優勝した照ノ富士が引き続き優勝争いの中心です。最近は後半に失速するケースがありましたが、夏場は膝の負担も少なくなるだけに不安は少ないと見ています。(元横綱・稀勢の里)

おすすめテーマ

2023年07月09日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム