関脇・豊昇龍が初優勝 大関昇進が確実に 北勝富士との優勝決定戦制し涙
2023年07月24日 05:30
相撲
土俵上であふれ出た涙については「出ちゃったですね。我慢したけれど、止まらなかった」。叔父の元横綱・朝青龍(42)を思わせるスピードと技の魅力、そして喜怒哀楽豊かなキャラクターだった。
伯桜鵬との本割は左から張って左四つ。「この若手には負けてはいけないと思った」。右上手を引くと、息つく暇も与えず上手投げで19歳を土俵へ沈めた。
優勝決定戦では北勝富士より低い攻めで圧倒した。同じ北勝富士に押し出された12日目、敗因になった引きを今度は北勝富士に使わせて突破口にした。愛知県春日井市出身の師匠・立浪親方(元小結・旭豊)のご当所で大仕事をやり遂げた。
確実とした大関昇進について「夢のところ。しっかり一から稽古して大勝ちできるように頑張りたい」。初優勝を報告したい人を問われ、「(立浪)親方、叔父さんに伝えたいです」と照れ笑いした。
先場所後、母国モンゴルへ4年半ぶりに帰国した。星空に癒やされ、バギー(全地形対応車)で登った山でリフレッシュ。元朝青龍と組み合って技の練習もした。その際、21年前に自身が決めた名古屋場所での大関獲りと初優勝を厳命された。
元朝青龍から「筋肉が硬くなる」として、部分的にしか許されなかった筋力トレーニングはついに全面解禁の了承を得て、6月から始めた。320キロが日本記録とされる、バーベルを体が起きるまで引き上げるデッドリフトは280キロ。背筋や太腿の後ろが強く、投げの強さを裏付ける。7日目は26キロ重い朝乃山を上手投げ、この日は伯桜鵬をねじ伏せた。
モンゴルで同じ柔道道場に通った霧島には先を越されたが、1場所で追いつくことになる。叔父が3場所しか在位しなかった大関で、最高位を目指していく。
《豊昇龍こんな人》
☆本名 スガラクチャー・ビャンバスレン
☆生まれ 1999年5月22日生まれ、モンゴル・ウランバートル出身の24歳
☆来日 15年にデルゲルバヤル(十両・欧勝馬)、ジャミントクトホ(三段目・朝白龍)と同じ飛行機で来日。柏日体高(千葉)にレスリング留学。高1の途中で相撲部に転籍
☆相撲実績 高2では高校総体個人ベスト8、3年時に関東大会重量級優勝。高校総体は個人決勝でアマルサナー(十両・狼雅)に敗れ、準優勝。国体は少年の部で個人3位
☆入門 立浪親方にスカウトされ、立浪部屋入り。豊昇龍のしこ名で18年初場所初土俵
☆しこ名 師匠の現役時代のしこ名から「豊」、叔父さんの「ショウリュウ」から上がる意味を込め「昇」龍に
☆新入幕 20年秋場所
☆新三役 22年春場所に小結、同年秋場所に関脇に昇進。新三役昇進から9場所連続で勝ち越し中
☆三賞 技能賞2、敢闘賞
☆家族 父は元横綱・朝青龍の兄、母と兄、弟
☆サイズ 1メートル88、142キロ
《記録アラカルト》
☆モンゴル出身 朝青龍25回、白鵬45回、日馬富士9回、旭天鵬1回、鶴竜6回、照ノ富士8回、玉鷲2回、逸ノ城1回、霧馬山(霧島)1回に次ぐ10人目。今年春場所から3場所連続。
☆初優勝 今年春場所の霧馬山(霧島)以来、優勝制度創設後では117人目の優勝力士。
☆関脇優勝 今年春場所の霧馬山(霧島)以来34回目。
☆立浪部屋 現師匠が99年2月に継承後は初。かつては双葉山らを生んだ名門で、部屋としては1968年春場所の若浪以来55年ぶり。
おすすめテーマ
2023年07月24日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
豊昇龍 大関昇進も果たし「信じられない」叔父・朝青龍の涙は「初めて見た」 優勝一夜明け会見
-
【世界水泳】カツオが全体8位で予選通過「思い通りのレースができた」200M自由形
-
【世界水泳】入江陵介 個人種目で8大会連続の決勝逃す「心の整理がつかない」100M背予選18位敗退
-
バレー男子・西田有志 快挙の銅メダル、応援に感謝も悲しい報告が「今大会で多くの誹謗中傷を受けました」
-
NBA理事会がホーネッツの売却を正式承認 ジョーダン・オーナーの経営にピリオド
-
ビキニフィットネス・ダンシーあずさ ビーチに映えるオレンジコーデ披露に「ナイス腹筋」「キラキラ」
-
熱海富士が決定戦制して十両優勝!「良い感じで帰れる」幕内復帰決め、30日の沼津巡業で地元凱旋へ
-
甲山親方の長男・若碇が三段目優勝 満員の場内沸かせた!「チャレンジャーの気持ちで」朝白龍撃破
-
宮浦健人 要所でサービスエース7本「リスクを負うしかない」バレーボール男子ネーションズL3位決定戦
-
関脇・豊昇龍が初優勝 大関昇進が確実に 北勝富士との優勝決定戦制し涙
-
【豊昇龍・強さの秘密】レスリングから転部も1年で部内一番
-
【玉ノ井親方 視点】豊昇龍は重圧の中でもさすがの冷静さ
-
【豊昇龍V】元朝青龍「涙がこぼり」 伝達式では喜びを分かち合う?
-
伯桜鵬 最速三賞 デビュー4場所目で敢闘賞&技能賞もV逸に「稽古して強くなるしかない」
-
北勝富士 初の賜杯にあと一歩及ばず 敢闘賞には「やってきたことが報われた」
-
琴ノ若 11勝目で4度目の敢闘賞 「集中してやれた」
-
湘南乃海 新入幕で敢闘賞 7場所連続勝ち越し
-
豪ノ山 4連勝締めで敢闘賞 「しっかり自分の相撲で勝てたので自信になる」
-
錦木 前半戦を盛り上げ殊勲賞 初土俵から103場所目での三賞は歴代最スロー
-
瀬戸大也が銅 競泳陣表彰台第1号も反省「タイムが遅い」
-
二所ノ関勢、十両ダブル昇進の可能性大 高橋&大の里
-
【林享の目】パリ五輪で金を狙うなら自己ベスト更新が必須 これを糧に
-
【女子200メートル個人メドレー】大橋決勝進出「どかんといく」
-
【女子100メートルバタフライ】池江まさか予選落ち 過緊張に陥り全体17位
-
小滝水音 プロ7年目、笑顔の初V 黄金世代13人目、首痛、ぎっくり腰乗り越えた
-
早田ひな 伊藤美誠にストレートで圧倒V 五輪選考レース独走状態
-
張本智和 “難敵”戸上を下して頂点 「永遠にライバル。勝ててホッとしている」
-
バスケットボール男子 韓国に勝利 ホーバス監督「やり返せた」
-
カー娘・藤沢五月 ボディメイクC出場はロコの仲間に相談 エンタメ性がカーリングの参考に
-
龍神NIPPON 世界1位ポーランドに惜敗 3位決定戦へ 石川「悔しい思いしかない」
-
松山英樹 通算2アンダー17位「少し伸ばしきれなかったので残念」
-
星野陸也 通算1オーバー41位「ショットはついていたがパットが…」