【豊昇龍大関昇進伝達式】憧れの叔父・朝青龍に「近づきたい」口上の「気魄一閃」に込めた思い

2023年07月26日 16:21

相撲

【豊昇龍大関昇進伝達式】憧れの叔父・朝青龍に「近づきたい」口上の「気魄一閃」に込めた思い
大関昇進の伝達を受け口上を述べる豊昇龍。右は立浪親方 Photo By 代表撮影
 日本相撲協会は26日、愛知・ドルフィンズアリーナで臨時理事会を開き、名古屋場所で初優勝を果たし直近3場所で合計33勝を挙げた豊昇龍(24=立浪部屋)の大関昇進を満場一致で決定した。
 名古屋市南区の立浪部屋で行われた大関昇進伝達式では「謹んでお受けいたします。大関の名を汚さぬよう、気魄一閃(きはくいっせん)の精神で努力致します」と口上を述べた。「気魄一閃」の四字熟語には「どんなことにも力強く立ち向かう」という意味が込められている。師匠の立浪親方(元小結・旭豊)が友人と相談して豊昇龍に合う言葉を選び、最後は本人が「これにします」と決めたという。

 土俵の上では堂々とした立ち振る舞いを見せるが、この日ばかりは「人生で1回しかないので、相撲を取るより緊張してました」と苦笑い。何度も練習して臨んだが、少し言葉に詰まる場面もあった。口上の自己採点を問われると「100点満点って言うしかないじゃないですか(笑)。自分ではしっかりできたと思っていたけど、逆にどうでした?」と笑っていた。

 涙の初優勝から3日。「優勝の喜びもすごかったけど(大関昇進も)同じぐらいうれしい。今週はずっとうれしいことばかり起きているので、もっと頑張らないとって気持ちで明日から頑張っていきたい。もう次に向けなくちゃいけないんじゃないですか」。初優勝と大関昇進の二重の喜びをかみしめ、視線は早くも前を向いていた。

 叔父の元横綱・朝青龍の存在は、憧れであり重圧にもなっていた。「自分が勝たないと叔父さんの名前(の価値)が下がる。だからもっと頑張らないと」。そう思い続けてついに大関の地位までたどり着き、残すはもう一つ上の「横綱」のみとなった。「超えるとかはできないかもしれないけど、ちょっとでも近づきたい」。叔父の偉大さを改めて実感し「番付は大関で終わるわけではないので、次に向けて一生懸命頑張っていきたい」と決意を新たにした。

 叔父の朝青龍は新大関からわずか3場所で横綱まで駆け上がっている。次なる夢へ向け「やっぱり稽古ですよね。(他の)人より倍、稽古しないといけない」と自覚をにじませた。

 ◇豊昇龍 智勝(ほうしょうりゅう・ともかつ)本名=スガラグチャー・ビャンバスレン。1999年(平11)5月22日生まれ、モンゴル・ウランバートル出身の24歳。幼少期から柔道やレスリングに取り組む。15年春、現・十両の欧勝馬と現・三段目の朝白龍とともに来日。千葉・柏日体高(現・日体大柏)にレスリング留学。同年5月、相撲部に転部。2年時に関東大会100キロ級優勝。3年時に関東大会115キロ級優勝、全国高校総体準優勝、全国高校選抜十和田大会3位、国体3位。立浪部屋に入門し、18年初場所で初土俵。同年夏場所で序二段優勝。19年九州場所で新十両。20年秋場所で新入幕。22年春場所で新小結。同年秋場所で新関脇。敢闘賞1回、技能賞2回。1メートル88、142キロ。

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