三宅宏実さん結婚発表 元担当記者が思い出したリオ五輪の大団円 あの時と同じ皆が祝福

2023年08月14日 20:21

重量挙げ

三宅宏実さん結婚発表 元担当記者が思い出したリオ五輪の大団円 あの時と同じ皆が祝福
三宅宏実さん Photo By スポニチ
 重量挙げ女子48キロ級で五輪5大会連続出場を果たし、12年ロンドンで銀、16年リオデジャネイロで銅メダルを獲得した三宅宏実さん(37)が結婚したことが14日、所属する「いちご株式会社」から発表された。お相手は法大の後輩で、16年リオ五輪の重量挙げ男子62キロ級12位の中山陽介さん(36)で、今年最強の開運日となった今月4日に入籍した。
 曲がりなりにも文章を書くことに身を置いていると、安易に「奇跡」という言葉は使いたくない。だが、あの時はまさに「奇跡」以外の何物でもなかった。

 16年8月のリオデジャネイロ五輪。三宅さんは深刻な腰痛を抱えたまま、夢舞台に臨んでいた。スナッチで81キロに2度失敗。次失敗すれば終わりという、後がない3回目。尻もちをつく寸前でこらえ、笑みを浮かべながらゆっくりと立ち上がった。

 記録なしの大ピンチを乗り切り、ジャークで107キロを挙げて銅メダル。試合後の取材エリア、集まった記者は皆、信じられないような表情を浮かべていた。そして、皆が祝福していた。

 不調でも、痛みを抱えていても、取材に行けば笑顔で「ありがとうございます!」。五輪でメダルを獲得するなど世界の第一線で活躍しながら、こちらが恐縮するほどに腰は低く、それでいて、とてつもないパワーを小さな体に秘めていた。

 その人柄に魅せられて、取材していた記者は皆、彼女を応援していた。

 集大成として立った2年前の東京五輪は記録なし。競技人生に唯一、足りなかった五輪の金メダルには届かなかった。だが、あれから2年、三宅さんの人生にとって大切な“金メダル”を獲得したのだと思う。

 所属会社のSNSでの発表は午後8時。その30分ほど前、記者の携帯電話が鳴った。そこには「三宅宏実」と表示されていた。「私事で誠に恐縮ではあるのですが、ふふふふふ…」と明るい声で、丁寧に報告してくれた。台風7号が接近する中、関西在住の私を心配する言葉も添えて。

 なぜかその時、思い出したのは、大団円だったリオの取材エリア。記者を代表して言うわけではないが、あの時と同様に皆が祝福しているに違いない。宏実ちゃん、末永くお幸せに!!
(元重量挙げ担当・杉本 亮輔)

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