【バスケW杯】日本と「18点差」にまつわる物語… 「記憶にない」屈辱から「経験ない」歓喜に

2023年08月28日 18:00

バスケット

【バスケW杯】日本と「18点差」にまつわる物語… 「記憶にない」屈辱から「経験ない」歓喜に
27日のフィンランド戦で歴史的1勝を挙げ、河村(手前)と抱き合って喜び合う渡辺(AP) Photo By AP
 27日に行われたバスケットボール男子W杯1次リーグE組で、世界ランク36位の日本が、同24位・フィンランドに98―88で勝利した。W杯の前身の世界選手権が日本で開催された06年以来、17年ぶりの1勝は、W杯で過去11戦全敗だった欧州勢からの歴史的な初白星でもあった。
 第3クオーター(Q)の途中で最大18点差をつけられながら、奇跡的な逆転勝利。06年大会、最大18点差から大逆転負けを喫したことを覚えている人は、どれくらいいるだろうか。

 17年前、1次リーグB組でニュージーランドと対戦した日本は、前半終了時に38―20と18点リード。勝てば史上初の決勝トーナメント進出が決まる大一番で、歴史の扉に確かに手をかけたはずだった。

 だが、後半に暗転。「プレッシャーで、みんなが人任せになってしまった」とは、当時チーム最年長36歳で日の丸を背負った折茂の言葉だ。じわりと差を縮められ、12点リードで迎えた最終第4Q。ニュージーランドに次々に3点シュートをねじ込まれ、残り31秒、ペニーの3点シュートが決まって57―60。反撃の力はもう、残されていなかった。

 悪夢のような敗戦。日本を率いたパブリセビッチ監督は言った。「今までの人生で負けることはあったが、こういう負けは記憶にない」と。

 あれから17年が経過した。18点のビハインドを背負っても、日本は誰一人諦めていなかった。17年前とは逆に3点シュートを連発してフィンランドに迫り、逆転し、突き放した。「こういうゲームは経験ないです」。ホーバス監督が残した言葉は、パブリセビッチ監督と真逆だった。

 29日は世界3位のオーストラリアと対戦。大黒柱の渡辺雄太は「僕たちはまだまだこれからなんで。これで満足することなく次にいきます」と闘志を高める。勝てば2次リーグ進出。運命の一戦は、午後8時10分ティップオフだ。

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