【記者の目】バスケW杯空席問題 必ず空席を作らないという事前の取り決めをするべき

2023年08月28日 04:45

バスケット

【記者の目】バスケW杯空席問題 必ず空席を作らないという事前の取り決めをするべき
沖縄アリーナで行われた日本対フィンランド戦 Photo By 共同
 【記者の目】日本に限らずW杯のような大きなスポーツ大会を開催するためには、必ずスポンサーが必要になる。チケットの販売収入だけでは莫大(ばくだい)な運営費をまかなうことができないからだ。スポンサーは協賛金を支払い、物品を無償で提供することで自社をPRし、イメージアップにつなげることができる。この“ウィンウィン”の関係の中で、慣習として昔からずっと行われてきたのが入場券の一部をスポンサーに提供することだった。
 FIBAは今回問題となった空席について「該当席は複数の法人により購入された座席」だと説明している。資金を提供するスポンサーがそれなりの見返りを求めるのは当然で、世界中で行われており、それ自体が悪いわけではない。ただ、一般には販売されていない特別な席である以上、必ず座席を埋めるのは購入した側の義務で、今回のようにそろって空席というのは常識では考えられない。

 19年に日本で開催されたラグビーのW杯でも似たような問題が起きたが、今後は特別席を提供する側と提供される側で、必ず空席を作らないという事前の取り決めを作るべきだ。そして何より、本当にその試合を見たいファンが見られないという現実を直視し、特別席は縮小して会場の後方に設置するなど、主催者側も根本的に考え方を改めるべきだろう (編集委員・藤山健二)

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