熱海富士「ヒヤヒヤしました」 物言い→取り直し→また物言い…左足一本残った御嶽海撃破

2023年09月16日 04:40

相撲

熱海富士「ヒヤヒヤしました」 物言い→取り直し→また物言い…左足一本残った御嶽海撃破
御嶽海(左)と熱海富士の取り組みは同体となり取り直しとなる(撮影・会津 智海) Photo By スポニチ
 【大相撲秋場所6日目 ( 2023年9月15日    東京・両国国技館 )】 再入幕の熱海富士が御嶽海との平幕1敗対決を制した。初めて大関経験者を破り、自身の新入幕場所の勝ち星を上回る5勝目。5場所ぶりに帰ってきた幕内前半の土俵を盛り上げた。大関・貴景勝、平幕・高安、金峰山、剣翔もそれぞれ星を伸ばし、1敗は5人。新大関・豊昇龍は今場所初の連勝で星を五分に戻した。
 2度の物言いに館内は大いに盛り上がった。最初の取組は、熱海富士が前傾姿勢で相手の低い押しをこらえてから土俵際ではたき込み。左足一本残ったかに見えたが同体取り直しに。次も同じような形になり、今度こそ左足一本残って軍配通りで白星をつかみ取った。「ヒヤヒヤしました。でも3回目いつでもいける準備をしてました」。取組後には、一気に表情が緩んだ。

 「新入幕がボロボロだったので今度は同じようにはいかない」と、今場所は雪辱に燃えている。初土俵から所要12場所で高卒最速新入幕を果たした昨年九州場所は4勝11敗で大きくはね返された。力の差を痛感し、その後もすぐには戻れず十両で苦戦した。

 部屋の稽古では師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)や横綱・照ノ富士から、立ち合いの上手の取り方の悪癖など同じ指摘をされることが多かったが、最近は減ってきたという。毎日約50番の猛稽古を重ねて実力を蓄え、幕内に帰ってきた。自身の成長については「どうなんですかね?してればうれしいけど…根本的には変わってないかも」と自覚していない様子。それでも、前回の勝ち星「4」を早くも上回って1年前の自分を超えた。

 場所前の3日に21歳の誕生日を迎えたばかり。「若さだけじゃなく、慌てないように」と精神面の成長を誓っており、冷静に回り込んだこの日の土俵際にそれが表れた。心身ともに進化を遂げた21歳が、幕内の土俵で真価を発揮していく。

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