熱海富士1敗死守 幕内初勝ち越し“鬼門”動じず「前に出られた」10日目は高安と直接対決

2023年09月19日 04:45

相撲

熱海富士1敗死守 幕内初勝ち越し“鬼門”動じず「前に出られた」10日目は高安と直接対決
金峰山(左)を寄り切りで破る熱海富士(撮影・木村 揚輔)  Photo By スポニチ
 【大相撲秋場所9日目 ( 2023年9月18日    両国国技館 )】 5場所ぶりに再入幕した熱海富士が金峰山を破って1敗を守り、今場所の幕内第1号となる速さで初の勝ち越しを決めた。高安も1敗を守って勝ち越し。4人いた2敗勢では、剣翔だけが勝って星を伸ばした。霧島と貴景勝のカド番大関2人はそろって6勝目を挙げたが、新大関・豊昇龍は6敗目を喫した。
 勢いに乗る熱海富士に迷いはなかった。立ち合いすぐに左で前みつを引くと、相手が切りに来たところを一気に走って電車道。「ちゃんと前に出られた」と最高の内容に笑みがはじけた。十両時代は7勝目を挙げた翌日は6回中5回負けている“鬼門”。それでもこの日は「本当に落ち着いていた」と給金相撲の緊張はなかった。

 付け人の蒼富士(20)がこの日、序二段の取組で左膝を負傷。土俵から動けず担架で搬送され、いつもいるはずの支度部屋から姿を消した。1歳下の弟弟子には毎朝起こしてもらうたびに感謝の言葉を伝えたり、今月3日の自身の誕生日にサプライズで部屋を飾り付けて祝ってもらったりと普段から仲が良い。「あいつがいないと何もできない」。心の支えを失って動揺は少なからずあったはずだ。それでも、代役を務めた三段目・聖富士(19)が「土俵に上がればやってくれるはず」と信じていたとおり、心を乱さず自分の相撲に集中した。

 10日目は、1敗で首位に並ぶ高安との直接対決が組まれた。注目の集まる元大関との一番だが、以前のように緊張して硬くなる精神面の不安もなくなってきた。一つ試練を乗り越えた21歳に、恐れるものは何もない。

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