【ラグビーW杯】砂村光信氏 厳しい局面での経験の差が決定力に表れた 判断ミスも痛かった

2023年09月19日 04:42

ラグビー

【ラグビーW杯】砂村光信氏 厳しい局面での経験の差が決定力に表れた 判断ミスも痛かった
<日本・イングランド>後半、マーラーの頭にボールが当たって跳ね上がり、松田が見上げる(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 【ラグビーW杯フランス大会1次リーグD組   日本12ー34イングランド ( 2023年9月17日    ニース )】 速い球出しが攻撃の生命線の日本は、基準とされる3秒以内をほぼクリアできていたが、取り切らないといけない場面でミスが出た。代表やクラブレベルで日常的に厳しい試合を経験しているイングランドに比べ、本番前も強豪とは試合を組まず、国内リーグのレベルも劣る日本。サンウルブズもなくなり、厳しい局面での経験の差が決定力に表れた。
 相手がセットプレーとハイボールで攻めてくるのは想定内だったが、誤算はバックスリー最長身(1メートル81)で跳躍力、キック力もあるマシレワが開始早々に負傷交代したこと。相手はナイカブラがキックが得意でないことを分析していたのだろう。ターゲットにされ、後手に回った。また捕球の競り合いでも不利となり、日本はミスボール狙いに切り替え、本来の生み出すべきモメンタム(勢い)をつくれなかった。

 後半の不運な被トライは、マーラーがヘディングをする前のキャッチミスをノックオンと勝手に判断して動きを止めたことが原因だ。W杯のような大舞台では、改めて少しの判断が明暗を分けることを肝に銘じてほしい。

 強い相手のランナーに大きなゲインを許さなかったラインディフェンス、昨秋の対戦では完敗しながら互角に組んだスクラムは、自信を持っていい。ロング、ハイパント、スペースに落とすスキルに、相手にチャージされないオーバーヘッドも見せた流のキックも非常に効果的だった。

 次戦対戦するサモアは、22日のアルゼンチン戦から中5日で日本戦を迎えるため、準備面や体力面は絶対的に有利。しっかり分析して必勝を期してほしい。(元U―23日本代表監督)

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