【高校ラグビー】桐蔭学園 3大会ぶり4度目Vで2冠 前年度は県大会敗退「このまま落ちる」の評価覆した

2024年01月07日 15:18

ラグビー

【高校ラグビー】桐蔭学園 3大会ぶり4度目Vで2冠 前年度は県大会敗退「このまま落ちる」の評価覆した
<桐蔭学園・東福岡>前半・トライを奪った桐蔭学園・田中(11)の周りに集まる桐蔭学園フィフティーン(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【第103回全国高校ラグビー 決勝   桐蔭学園8ー5東福岡 ( 2024年1月7日    花園ラグビー場 )】 春の選抜大会を制した桐蔭学園(神奈川)は8―5で東福岡(福岡)を下して3大会ぶり4度目となる全国制覇を達成した。
 前半13分に高校日本代表候補FB吉田晃己(3年)のPGで先制。同24分には、相手のミスを突いた高校日本代表候補WTB田中健想(けんぞう、3年)がそのままインゴールに持ち込みトライを奪った。ラインアウトが安定せずに苦しい時間も長かったが、東福岡の反撃を1トライに抑えて逃げ切った。

 前回大会の神奈川県決勝で東海大相模に13―14と惜敗。連続出場は「7」で途絶え、3年生は志半ばで高校ラグビーを終えた。「このまま桐蔭は落ちるだろう」「桐蔭はもう全国大会に出ないんじゃないか」――。そんな周りの声には惑わされなかったが、藤原秀之監督(55)は日々の取り組みから見つめ直した。

 「私を中心としたスタッフの指導が悪かった。自分たちが1年間やってきたことがダメだったと分かった」

 議論を重ねて行き着いたのが、基本スキルや思考力の甘さ。コロナ禍で2時間に制限されていた練習時間を30分間延ばし、その時間を体の使い方からハンドリングなど基礎に費やした。「“やっといてくれよ”と言っちゃっていた部分をみんなでやるようになった」。悔しさを糧に練習に打ち込んだ2年生以下の選手たちは、3月の選抜大会で優勝。決勝では前年度の花園を制した東福岡を34―19で退けた。

 桐蔭学園にとって3年ぶりとなる春制覇。誰も満足していないことは分かっていながらも、藤原監督は選手たちに語りかけた。「11月19日に勝たない限り、桐蔭学園に春は来ない。ずっと曇りだよ」。見据えていた「11・19」は全国高校ラグビーの神奈川県決勝の開催日。指揮官もまた、前年度の悔しさをずっと胸に秘めていた。

 神奈川県大会決勝で59―0と東海大相模を圧倒。どん底からはい上がってきた強さは全国でも際立った。屈辱があったからこそ、桐蔭学園は再び全国の頂点に立った。
 

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