【三浦国際市民マラソン女子ハーフ】ジュイゲが初優勝　34歳3児のママ　子供の応援を力に

2024年03月04日 04:30

マラソン

【第39回2024三浦国際市民マラソン（ 2024年3月3日神奈川・三浦海岸発着）】国内唯一のホノルルマラソン姉妹レース「第39回2024三浦国際市民マラソン」は3日に行われ、7403人（5キロ＝1721人、ハーフマラソン＝5555人、キッズビーチラン＝127人）が参加した。ハーフマラソン男子は専大4年の粟江倫太郎（21）が1時間7分39秒で初優勝。同女子はキャサリン・ジュイゲ（34）が1時間20分47秒で制した。大会後の抽選でハーフマラソン完走者から3人が「ホノルルマラソン2024」に招待された。

　産後7カ月、34歳、3児を育てるママさんランナーが三浦海岸を疾走した。ケニア出身のジュイゲは初出場で初優勝。満面の笑みでフィニッシュを迎えると「初めての三浦マラソンで優勝でき、とてもうれしい。いいレースができた」と喜びをかみしめた。

　レースはあえて「ノープラン」で挑んだ。スタート地点で流れる邦楽、地元中学の吹奏楽部による演奏、陽気なDJのかけ声、恵まれた天候で気分が高まった。「ノリノリでいくことができた。沿道からの応援もエネルギーになった」と好発進。序盤は5位でペースを刻むと、12キロ地点で2位に浮上した。高低差が激しいコースも攻略し「景色がきれい」と楽しみながら快走。15キロ過ぎでトップに躍り出てからは最後まで先頭を走り続けた。

　昨年8月に第3子となる長女を出産したばかり。普段は3児を育てながら、千葉県木更津市内で英語指導助手として働く。仕事に家事に育児に慌ただしい日々でもトレーニングは欠かさない。産後1カ月で練習を再開し、この日に照準を合わせてきた。必ず毎朝5時に起床し、約10～12キロの距離を走る。そんな姿を見ている子供たちから「ママ、優勝してね！」と応援され、可愛いエールを力に変えた。頂点に立った自身へのご褒美として、ランニングシューズを新調し、大好物のカレーライスをおなかいっぱいに頬張る予定だ。

　子育てしながら教育現場で働き、「子供に関わることが大好き」というママさんランナーには夢がある。「日本の小学校、中学校、高校いずれかで陸上部の監督になりたい。子供たちに陸上の素晴らしさ、走る楽しさを伝えていきたい」。来年も参加する意向を示した34歳が、目標に向かって走り続ける。

　◇キャサリン・ジュイゲ　1989年10月25日生まれ、ケニア出身の34歳。ケニア・カドコ高2年時に陸上を始める。立命館アジア太平洋大へ入学。ハーフマラソンの自己ベストは1時間19分3秒。1メートル51、49キロ。