元十両・栃丸が231日ぶり白星「もう一回上がる覚悟」両膝手術から復帰 序二段の土俵で大歓声

2024年03月11日 07:06

相撲

元十両・栃丸が231日ぶり白星「もう一回上がる覚悟」両膝手術から復帰 序二段の土俵で大歓声
<春場所初日>序二段の土俵で復帰した栃丸 Photo By スポニチ
 【大相撲春場所初日 ( 2024年3月10日    エディオンアリーナ大阪 )】 元十両で東序二段47枚目の栃丸(31=春日野部屋)が千代剣(20=九重部屋)を下し、幕下25枚目だった名古屋場所千秋楽以来の復帰戦を白星で飾った。
 まだ観客もまばらな午前10時半頃。「栃丸」のしこ名が呼び上げられると大きな声援が沸き起こった。「出られるだけでもうれしい。ありがたいこと」。関取経験のある人気力士は、231日ぶりの土俵をかみしめた。立ち合いもろ手突きからよく見て突っ張って突き倒し。「めっちゃ緊張した」と苦笑いしていたが、力の違いを示す完勝だった。

 中学生時代から慢性的に痛めていた古傷の両膝。昨年の夏頃は蹲踞(そんきょ)の姿勢がしっかりできず階段の上り下りもまともにできない状態だった。十両を3場所経験した後に再び幕下生活が約1年続き「ごまかしながらではダメ。力が入らず、これ以上は厳しいのかな。もう一回(関取に)上がるのであれば…」と人生初の手術に踏み切った。

 昨年8月29日に両膝の半月板を同時に手術。両足が使えないため最初は車いす生活で、自力で歩けるようになるまで1カ月以上を要した。まわしを締めて土俵で四股を踏めるようになったのは年明けから。復帰への準備を着実に進め、3月に入ってから実戦稽古も再開した。

 励みになったのは、同じく膝の手術を経て復活した力士たちの存在。同学年で幕下時代に優勝決定戦を争ったこともある現幕内の宇良(31=木瀬部屋)や、部屋の兄弟子で元大関の栃ノ心。「ああいう活躍している例もあるので、自分もしっかり頑張らなきゃと思います」。完治させて元の番付以上に上がっていく姿を見習うつもりだ。

 2年前、初土俵から11年かけて悲願の新十両昇進を果たした苦労人。再スタートを切り「土俵に戻れたので、もう一回上がる覚悟でやっていきます」と力強く意気込んだ。関取復帰を目指す31歳。土俵人生はまだまだこれからだ。

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