広島・野村 “特別な日”に今季初勝利 西日本豪雨から5年「何かを届けられたら」恩師の激励にも応えた

2023年07月07日 06:30

野球

広島・野村 “特別な日”に今季初勝利 西日本豪雨から5年「何かを届けられたら」恩師の激励にも応えた
<広・神>新井監督(左)に肩をたたかれる野村(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島4-0阪神 ( 2023年7月6日    マツダ )】 広島・野村が“特別な日”に今季初勝利を挙げ、節目の80勝に到達した。自慢の制球で四隅を突き、阪神打線を無四球で6回零封。二塁さえ踏ませず散発3安打に抑えた。
 「今日はどうしても勝ちたかったので、本当によかったです」

 広島や岡山、愛媛などで300人超が犠牲となった西日本豪雨から5年。実家に近い岡山県倉敷市真備町でも甚大な被害に見舞われた。「大変な思いをされた方がいる。微力でも、そういう方に何かを届けられたら」との思いを投球に乗せた。

 必勝指令を受けた登板でもあった。6日は母校の広陵・中井哲之監督の61歳の誕生日。朝に連絡した際に「絶対勝て!」と言われていた。恩師なりの激励。18年6月23日以来、実に5年ぶりの阪神戦勝利で応えた。

 初回。1死から中野を外角ツーシームで遊ゴロ、2死一塁では大山を外角カットボールで二ゴロに斬った。多彩な変化球。6回までの18アウトのうち12個をゴロで奪った。無四球での6回零封は、前回のDeNA戦から2戦連続。磨き抜かれた制球がそこにあった。

 「しっかり腕が振れていたし、右にも左打者にも(両サイドを)使えていたかな…と」

 34歳は充実感をにじませる。カード勝ち越しで阪神とは再び2・5ゲーム差。「チーム力が上がっている。首位に勝ち越したのは自信にしていい」と新井監督。野村についても「全球種を四隅に投げ分け、これが祐輔だという投球だった」と賛辞を惜しまなかった。(江尾 卓也)

 ▽西日本豪雨 14府県で災害関連死を含め305人が亡くなった平成最悪の水害。18年7月6日に最初の大雨特別警報が出され、広島県で152人が死亡し、5人が行方不明。岡山県では95人が亡くなり、3人が行方不明となった。

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