野村謙二郎氏 首位阪神が見せた隙 3点目痛かった村上 ノイジーはなぜ滑り込まない

2023年07月07日 06:45

野球

野村謙二郎氏 首位阪神が見せた隙 3点目痛かった村上 ノイジーはなぜ滑り込まない
<広・神>7回、本塁で走塁死したノイジー(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神0-4広島 ( 2023年7月6日    マツダ )】 【野村謙二郎 視点】村上は数字が示す通り、やはりいい投手だ。序盤は少し変化球が浮き、小園に打たれたフォークも数少ない失投だった。中盤以降は持ち味の低めの直球を増やし、外角に広い印象があったストライクゾーンを生かした。スピンの利いた直球を、打者は球速以上に速く感じるのだろう。ほとんど打たれる雰囲気がなかった。だからこそ3点目が痛かった。
 3回2死二塁で、西川に対してフルカウント。2球目にストライクを取っていたスローカーブを再び投げた結果、右前へ適時打を浴びた。打った西川がうまかったとはいえ、あれだけ差し込んでいる直球ではなく、カーブを選んだのはもったいなく感じた。

 西川を警戒するからこそ狙いを外そうという意図が捕手にはあったかもしれないが、右打者と左打者の感覚の違いも頭に入れるべきだった。本塁打を狙うような右打者なら、追い込まれてからのカーブに体が開いてしまうことがある。一方、左打者にとっては体に入ってくる軌道になる。ましてや西川はバットコントロールが巧みなアベレージ打者だ。追い込まれて集中力が高まる状況。少々タイミングを外されても空振りはない。結果論ではなく、もう1球カーブが来れば高い確率で拾われる…とみていた。

 付け加えれば、生還させた野間は内野安打で出した走者だった。1死から二塁へのゴロ。中野にも少し油断があったかもしれないが、常に全力疾走を怠らないから、間一髪でセーフになった。そういう意味でも痛い3点目になった。

 対照的に7回のノイジーの走塁が気になった。ずっと0点に抑えられていて、本塁突入を指示した三塁コーチの気持ちは分かる。コーチにすれば思ったよりも、ノイジーが走ってきてなかったのでは。しかも、本塁へスライディングすることなくアウトになった。あの状況で滑り込まないのは考えられない。首位のチームといえど、隙を見せれば、こういう試合になる。 (本紙評論家)

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