東洋大・細野 アマ左腕歴代最速更新158キロ 13球中11球大台超え…今秋ドラフト競合必至

2023年08月29日 04:59

野球

東洋大・細野 アマ左腕歴代最速更新158キロ 13球中11球大台超え…今秋ドラフト競合必至
<高校日本代表・大学日本代表>1回無失点の細野(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【高校日本代表壮行試合   大学日本代表8―0高校日本代表 ( 2023年8月28日    東京D )】 今秋ドラフトの1位候補で大学日本代表の東洋大・細野晴希投手(21)が28日、「第31回WBSC U18ワールドカップ」(31日開幕、台湾)に出場する高校日本代表との壮行試合(東京ドーム)で自己最速を3キロ更新する158キロを計測した。13球のうち11球が150キロを超える快投で、1回を無安打2奪三振。ネット裏の12球団スカウト陣をうならせた、歴代アマ最速左腕の争奪戦が展開される。
 主役の座を奪った。5回。夏の甲子園を彩った高校ジャパンを差し置き、スタンドは細野に熱狂し始めた。初球から148キロ、152キロ、156キロと球速がアップするごとに、観客のボルテージが上昇していく。クライマックスは9番・緒方への4球目。高めのボール球で、歴代アマチュア最速左腕となる「158キロ」を計測した。

 「自分の出力が上がっているか確かめたかった。初めてこういう大人数の中に立ったので楽しかった」

 ドラフト1位候補投手がズラリと並んだ大学代表にあり、一人だけ格が違った。150キロ超えを連発し、2奪三振で3者凡退。「変化球を投げたらもっと楽だな、という場面も何回かあった」と余裕の表情だ。NPBの左腕でも今季158キロを計測したのは、DeNA・エスコバーのみ。歴史の当事者となった緒方は「切れが全然違いました。空振りを取れる真っすぐというのはああいうこと」と驚きを隠せなかった。

 東亜学園時代の最速は140キロで、プロ志望届も出さなかった。東洋大ではウエートトレーニングに励み、2年春に初めて150キロを計測。制球難での自滅が課題だったが、今年からは走者なしでもセットポジションを採用した。「70%の力で120%のパワーが出るように」という脱力投法が奏功。支えてくれた父・幸成さんら家族の前での快投だった。高校から球速が18キロもアップし、花巻東3年夏に菊池雄星(現ブルージェイズ)が出した155キロを3キロも上回ったが、満足はない。1部に復帰する秋の東都リーグを前に「ファウルにされたりがあったので改善できる。秋につながる試合」と高みを見据えた。

 昨年から1位候補としてチェックしてきた巨人・大塚淳弘球団副代表はネット裏で視察。「驚いた。プロでも158キロを投げる(左の)投手はなかなかいない」と舌を巻いた。他球団のスカウト陣の視線もくぎ付けにした夜。巨人をはじめ、今秋ドラフトでの1位競合は必至となった。(柳内 遼平)

 ◇細野 晴希(ほその・はるき)2002年(平14)2月26日生まれ、東京都八王子市出身の21歳。加住小2年から「交友ビクトリーズ」で野球を始め、東海大菅生中では軟式野球部。東亜学園では1年夏からベンチ入りも甲子園出場なし。東洋大では1年秋に東都リーグで初登板も、2年秋から2部降格。今春は2部で7試合に登板し5勝0敗、防御率0.82。MVP、最優秀投手、最優秀防御率に輝いた。1メートル80、87キロ。左投げ左打ち。

 ▼広島・苑田聡彦スカウト統括部長 春と全然違う。軸がしっかりしていて、バランスが良く、腕の振りもいい。今日が一番良かった。158キロより速く感じた。プロでもすぐに投げられます。

 ≪左腕の歴代プロ最速は163キロ≫今季のNPB最高球速は佐々木朗(ロ)の165キロ(日本人歴代最速タイ)。左腕最速はエスコバー(D)の158キロ、日本人では佐藤隼(西)の155キロとなっている。なお、NPB最速はビエイラ(巨)の166キロ。左腕ではエスコバーの163キロで、日本人では古谷優人(ソ)が3軍戦で160キロを計測したことがある。

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