ソフトBの「ギータ2世」笹川、復調の兆し「ちょっとずつ良くはなっている」

2023年08月29日 07:10

野球

ソフトBの「ギータ2世」笹川、復調の兆し「ちょっとずつ良くはなっている」
「ギータ2世」笹川の豪快なスイング Photo By スポニチ
 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けしている筑後鷹。第43回は高卒3年目の大砲、笹川吉康外野手(21)が、昨年12月に続いての当コーナー登場。「ギータ2世」と期待される中、今季は2軍で打率2割台前半と苦しんでいる。その現在地に迫った。
 1メートル94、92キロの恵まれた体格に、強靱(きょうじん)なスイング。「ギータ2世」と評される笹川の打棒が上り調子だ。今月18日の2軍のオリックス戦で9回に右越えにサヨナラ本塁打。25日の阪神戦では9回1死から左中間を破る二塁打で好機を演出した。「(打撃は)今までが、ちょっとひどかったので。最近はいつも通りというか…」と復調の兆しは自身でも感じている様子だ。

 今季は2軍での打率が2割前半。3軍や4軍戦にも出場する“もがく”日々を過ごしている。「きっかけになりそうな試合はあるんですけど、長く続かない」と頭を悩ませてきた。現在の打撃のテーマは「コンタクト率を上げること」。小久保2軍監督から課題と言われてきた部分を、練習から意識して振り込んできた成果は少しずつ出ている。25日の試合後に指揮官は「今日もフリーバッティングが良かった。前回(18日)のサヨナラ本塁打は0%の期待だったけど、今日はちょっと期待しました。期待されてナンボだから」と長距離砲に言葉を送った。

 「ギータ2世」という看板はポジティブに考えている。「そう言ってもらえるのはうれしい。柳田さんの2世なので。柳田さんの名に恥じないように」と気を引き締める。背番号44は柳田がルーキーイヤーから14年までつけていた番号だ。今年1月には広島県呉市で行われた柳田の自主トレに弟子入り。笹川いわく“師匠”は「語ることをしない」。背中から何かヒントを得ようと取り組んだ。

 打撃では苦しんでいるが、50メートル6秒2の俊足と外野守備の面で泥くさく貢献している。根底にあるのは井出2軍外野守備走塁コーチの「バッティング、守備、走塁は全くの別物」という教え。「打てない時は引きずるのではなくて、こっち(守備、走塁)で活躍する気持ちでやれ」という言葉を胸に精進している。

 名前の吉康(よしやす)は豊臣秀吉と徳川家康という2人の武将から一文字ずつ取られた。徳川家康が果たしたように「いつかはどこかの世界で天下統一を」という両親の思いが込められている。1軍デビューはまだ果たせていないが、確実に階段は上っている。「ちょっとずつ良くはなっている。諦めないで何かをつかもうと思って、常にアンテナを張ってやっていきたい。打率もまだ上げられると思う」と目をギラつかせている。(杉浦 友樹)

 ◇笹川 吉康(ささがわ・よしやす)2002年(平14)5月31日生まれ、神奈川県出身の21歳。横浜商では甲子園出場なし。20年ドラフト2位でソフトバンクに入団。昨年は2軍で70試合に出場し、打率.195、本塁打4、打点23。1メートル94、92キロ。左投げ左打ち。

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