槇原寛己氏 試合の流れを奪い返した侍ジャパン2番手・根本のマウンド度胸

2023年11月20日 05:00

野球

槇原寛己氏 試合の流れを奪い返した侍ジャパン2番手・根本のマウンド度胸
<日本・韓国>5回から登板した根本は3者凡退に仕留め雄叫びを上げる(撮影・尾崎 有希) Photo By スポニチ
 【アジアプロ野球チャンピオンシップ2023・決勝   日本4-3韓国 ( 2023年11月19日    東京D )】 【槇原寛己 視点】侍ジャパンが劇的な逆転サヨナラ勝ち。その道筋をつくったのは2番手の左腕・根本だ。先発・今井が4回まで毎回走者を背負う苦しい内容。しかし根本は5、6回と韓国打線を3者凡退に抑えてリズムをつくり、その裏の攻撃で味方打線がいずれも得点を入れた。20歳ながらマウンド度胸満点。試合の流れを奪い返した。
 3年後のWBCでも「秘密兵器」になるかもしれない。今大会では採用されなかったが国際大会では65、80球など球数制限がある。根本は3イニングで45球。制球が良く、ストライクゾーンでどんどん勝負できる投手は貴重だ。一方で先発・今井は4回77球。「荒れ球」は彼の持ち味でもあるが、国際大会ではマイナスに働く。根本はオリックス・宮城と並んで侍の主力左腕として期待できるだろう。

 大会連覇を果たしたが、課題も見え隠れした。3試合目まで侍ジャパンは犠打、盗塁ともに0。この日は貴重な犠打が勝利につながったが、盗塁は記録できないままだった。井端監督から「僕ら(が現役)の頃とは違う」と聞いたが、アジア各国の投手はクイックモーションが上達し、計測タイムも劇的に向上しているという。侍ジャパンの持ち味の一つである足を絡めた攻撃が発揮できなかった今大会。スモールベースボールの中で、今度は逆方向への打撃、打席での打者の粘りなども大切になってくる。(スポニチ本紙評論家)

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