広島ドラ1・常広 142球完投!新井監督「球数投げられることは素晴らしい」青学大「大学4冠」へあと1

2023年11月20日 05:15

野球

広島ドラ1・常広 142球完投!新井監督「球数投げられることは素晴らしい」青学大「大学4冠」へあと1
<青学大・富士大>3失点で完投勝利した青学大・常広(左)(撮影・大城 有生希) Photo By スポニチ
 【明治神宮大会第5日大学の部・準決勝   青学大4ー3富士大 ( 2023年11月19日    神宮 )】 広島からドラフト1位指名された青学大・常広羽也斗投手(22)が、明治神宮野球大会準決勝の富士大戦に先発し、3失点完投勝利を挙げた。ドラフト指名後初の公式戦登板で、大学では自身最多となる142球を投じる意地の投球を展開。新井貴浩監督(46)はほれ直し、苑田聡彦スカウト統括部長(78)からは改めて潜在能力の高さを評価された。
 常広が大学では自身最多となった142球に、1位指名の誇りと意地を込めた。「もっとやれるのに…という思いはあるけど、(リードを)最後まで守れたことが一番うれしいです」。こちらは大学ワースト6四死球を与えたように、明らかに本調子ではなかった。それでも終わってみれば1点差を守り切る6安打3失点完投。巧みな投球術だけでなく、我慢強さや無尽蔵の体力を備えていることを証明した。

 制球力が乱れても簡単には崩れない。3回1死一塁から四球を与えながら、後続を内野ゴロ2つに仕留めて先制点を与えなかった。今秋リーグ戦は登板9試合、計42回2/3を投げて20与四死球。この日は普段とは様相を異にするマウンドとなったが、「気にしたらどんどんダメになる。気にしないようにしていました」と開き直ったと言う。走者を背負い続けながら、150キロを計測した直球とフォークを軸に耐えた。

 その勇姿を球場で見届けた広島の苑田聡彦スカウト統括部長は、“悪いなりの投球”に価値を見いだしていた。「先発は悪いときに切り替えられるかどうか。うちのエースはそれができる」。かつてのエース・黒田博樹らを担当し、今年で78歳を迎えた名スカウトは常広の我慢強さを歴代の名投手と重ね合わせた。また、秋季キャンプ地の宮崎・日南でドラ1右腕の結果を伝え聞いた新井監督も「それだけの球数を投げられることは、素晴らしい。実績を積み重ねるにはタフさが大切。本当に楽しみ」と改めて即戦力として期待を寄せた。

 公式戦では大分舞鶴高(大分)3年夏以来となる打席にも立ち、1打席目で犠打を決めた。3―2の7回1死二塁では左前打を放って直後の犠飛につなげる打撃センスも披露し、「安打はマジ、気持ちいいです」と相好を崩した。

 20日の慶大との決勝で史上5校目となる「大学4冠」に臨む。「明日も4イニングぐらいなら投げられる。勝てば何でもいいです」。我慢強く、タフで、大舞台も恐れない――。常広には、広島のエース道を継承できるだけの器の大きさがある。(河合 洋介)

 ◇常広 羽也斗(つねひろ・はやと)2001年(平13)9月18日生まれ、大分県大分市出身の22歳。小3で野球を始め、南大分中時代は大分リトルシニアに所属。大分舞鶴では甲子園出場なし。青学大ではリーグ戦通算8勝。今春の全日本大学野球選手権で優勝に貢献しMVPと最優秀投手。7月に日米大学野球選手権の日本代表に選出された。最速155キロ。50メートル走6秒1、遠投120メートル。1メートル80、73キロ。右投げ右打ち。

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