【ROOKIES 猛虎ファイル】ドラ4百崎(3) 仲間と壁が生じ転入 諦めずに切り開いたプロの道

2023年12月24日 05:15

野球

【ROOKIES 猛虎ファイル】ドラ4百崎(3) 仲間と壁が生じ転入 諦めずに切り開いたプロの道
2023年8月10日 浜松開誠館ー東海大熊本星翔の初回、二塁打を放つ東海大熊本星翔・百崎 Photo By スポニチ
 阪神のドラフト4位・百崎蒼生内野手(18=東海大熊本星翔)は高校通算39本塁打を誇るスラッガーだ。熊本県で生まれ育ち、周囲を圧倒するポテンシャルを発揮し続けた幼少期。高校2年時に東海大相模(神奈川)から故郷で転入し、諦めずにプロ入りへの道を切り開いた素顔に迫った。(石崎 祥平)
 【高校時代】東海大相模でも入学当初から持ち前の野球センスを発揮した。1年春からベンチ入りし、1年秋には「3番・遊撃」を任されて関東大会8強進出に貢献。この秋ごろ、同じ1年生のチームメートとの間に温度差が生じた。

 元々、曲がったことが大嫌い。目標のためなら脇目もふらずに突き進み、1年からレギュラー選手として活躍。何度も同学年の仲間とぶつかるようになった。「今となっては本当に申し訳ない気持ち」。次第に壁が生じ、「これでは日本一を目指せない」と思った。年が明けた2月から地元の熊本に戻り、野球への情熱が一度は消えかけた。

 中学時代に所属した「泗水ボーイズ」の関係者の手助けもあって、東海大熊本星翔への転入を勧められた。4月には野仲義高監督(42)と面談。「自分が悪かった。幼かった」と正直に打ち明けた。「相模の他の仲間が悪いと口にするようなら断っていた」と決めていた野仲監督は真っすぐな性格を確認し、「これならうちの生徒ともやっていける」と確信。5月から転入した。

 日本高校野球連盟の規定で1年間は公式戦に出られない中、再出発の道を歩み始めた。「気持ちはつらかったけど、やるしかない」。全体練習開始の約1時間半前から自主練習し、雑用係を買って出た。チームの模範となる姿を見せ続けた。

 3年生で迎えた最後の夏。熊本大会を控えた最後の練習試合で左足甲に自打球を当てて骨折を抱えても、奮闘した。主に「1番・遊撃」を務めて打率・389(18打数7安打)、1本塁打で同校にとっては5年ぶり3度目の甲子園出場に貢献。初めて踏んだ大舞台では浜松開誠館(静岡)との1回戦に敗れても、4打数2安打で存在感を示して一気にドラフト候補に浮上した。

 高校通算39本塁打のスラッガー。少し回り道をして、プロの世界の入り口に立った。「甲子園でホームランを打ちたい!」。本拠地となる聖地での強打を思い描いた。

※ドラ4百崎の稿は終わり

おすすめテーマ

2023年12月24日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム