ドジャース打線に脅威!?公式サイトがブレーブス加入の左腕セールの復活ぶりを細かく分析

2024年01月05日 11:26

野球

ドジャース打線に脅威!?公式サイトがブレーブス加入の左腕セールの復活ぶりを細かく分析
クリス・セール投手(AP) Photo By AP
 大リーグ公式サイトのデビッド・アドラー記者がブレーブスに移籍した左腕クリス・セール(34)の復活ぶりを細かく検証している。
 12年から18年まで、7年連続でア・リーグサイヤング賞投票に入った(最高2位、最低でも6位)メジャー屈指の剛腕。しかし20年は左ひじ側副靱帯再建術(通称トミージョン手術)を受け全休、22年もわき腹と右手首を痛め2試合しか登板できなかった。しかしながら23年は20試合に先発、復活の兆しを見せている。23年は102・2回を投げ、6勝5敗、防御率4・30で、大した活躍ではなかったように見える。しかしながら対戦した29・4%の打者から三振を奪い、9回あたりの奪三振数は11個で、キャリア平均の11・1個に迫った。フルシーズン投げれば、200奪三振を越える可能性がある。そして23年の三振率29・4%から四球率6・8%を引いた数字は22・6%で、メジャー全体で9位の好成績だった。ア・リーグサイヤング賞のゲリット・コールの21・2%、大谷翔平の21・1%よりも上だった。防御率は4・30だが、予想防御率でみると変わってくる。予想防御率(expected ERA)は、STATCASTの打球速度や打球角度など、打たれた打球の質から客観的に投手能力を評価するための指標で、こちらだと3・61。全体15位とトップレベルに入っている。ちなみに空振り率29・4%はMLBの投手の75パーセンタイル(パーセンタイル値とは計測値の分布を小さい数字から大きい数字に並べ変え、パーセント表示することによって、計測値においてどこに位置するのかを測定する単位)。チェースレート(ボールゾーンスイング率)は33%を超え、92パーセンタイルとエリートレベル。ハードヒット率は35%以下で80パーセンタイル。打率期待値(expected batting average)は 打球初速、種類、角度などから算出したものだが・211で85パーセンタイルだった。直球の平均速度は93・8マイルで今のメジャーでは平均以下だが、それ以外の多くの指標でいまだに平均を超えているのである。

 その上でアドラー記者は24年のセールはもっと良くなる可能性があると説明する。まずはスライダーだ。セールのスライダーはクロスファイアーの投げ方ゆえ、ホームベースを横切り打ちにくく、MLBの打者に最も恐れられた球種の一つだった。ただしその横への変化が23年は平均で28センチと大きくなかった。17年から19年は33センチから35・5センチも曲がっていた。一方で落ちるスライダーは依然有効で、伸びのある直球と合わせて効果的だった。サイドアームから投げる横滑りのスライダーが本来の動きを取り戻し、落ちるスライダーと併用できればもっと投球が楽になる。ドジャースの大谷やフレディ・フリーマンのような左打者にとって打つのは容易ではない。加えてシンカーとチェンジアップの有効利用も薦める。シンカーは4シームに比べて投げていないが、沈みながら、横滑りのスライダーと反対方向に逃げていく。チェンジアップも同じ。ドジャースはセール相手には右打者をたくさん並べてくるだろうが、ムーキー・ベッツのような右の好打者にとっても、スライダーとシンカーのコンビネーションは厄介だ。ブレーブスはポストシーズンを意識してセールを獲得した。17年には308奪三振を記録したことのある左腕はドジャースにとって間違いなく脅威なのである。

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