阪神・岩崎 富士山を背に誓う通算100S 湯浅との守護神争い「簡単に譲るつもりはない」

2024年01月05日 05:15

野球

阪神・岩崎 富士山を背に誓う通算100S 湯浅との守護神争い「簡単に譲るつもりはない」
新人だった10年前と同じように、富士山と三保の松原を背に走り込む岩崎(撮影・中村 与志隆) Photo By スポニチ
 阪神・岩崎優投手(32)が本紙に塩対応ではなく本音を打ち明ける企画「成し遂げる」が「成し遂げる その先へ」と装い新たにスタートする。4日、例年通り地元・静岡で始動した11年目左腕は今季のポジションについて初めて言及。「簡単に譲るつもりはない」。守護神の座を死守する決意を明かし、球団初のセ・リーグ連覇の瞬間もマウンドで君臨する「胴上げ投手」としての青写真を描いた。
 18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を成し遂げても岩崎の“第一歩”は不変だ。

 例年通り、地元・静岡で始動した左腕はこの日、14年1月に自主トレを公開した際に足を運んだ景勝地「三保の松原」を再訪。「あの時は入寮前で不安だった。何年できるのかなと。まさか10年以上もプロでできるなんて思ってもみなかった」と、富士山を見つめながら感慨に浸った。

 ただ、プロ11年目を迎えた今は10年前と立場も背負うものも違う。「また始まりますね」と長いシーズンを戦う覚悟を示すと今季の働き場について口を開いた。「湯浅が守護神をやりたい、と意欲的なのは知ってます。それは凄く良いこと。ただ、自分としては“はい、どうぞ”と簡単に譲るつもりはない」。

 昨季は開幕守護神を務めた湯浅の不振に伴い、最終回のマウンドで腕を振り続け自己最多の35セーブをマークして初タイトルの最多セーブを獲得した。普段は一貫して「任されたところで投げるだけ」と多くを語らない男の珍しい自己主張に見え隠れするのは最後のとりでとしての誇りとやりがいだ。「(22年から)2年間やってきた経験もある。白星を決定づける仕事はなかなかできないこと」。だからこそ「守護神なら多く試合に投げることは悪いことじゃない」と17年にマークした自己最多66試合登板の更新も視野に入れる。

 さらに、あと34に迫る通算100セーブも「それは通過点としていけたらいい」と宣言。昨季は35セーブでリーグトップだったことからも、大台に到達すればおのずと日本人では球団史上初の2年連続最多セーブの偉業も近づいてくる。何より、32歳にはもう一度見たい“絶景”がある。

 「胴上げされたいとかは思わないですけど、優勝の瞬間にマウンドにいれることは幸せですし、良いものでしたから。ピッチャーに限っては1人しか味わえないものなので」

 日本一の富士山と重ね合わせたのは、再び目指すレギュラーシーズンの“てっぺん”に他ならない。成し遂げる、その先へ――。目指すのは、猛虎がまだ見ぬセ・リーグ連覇ただ一つだ。(遠藤 礼)

 《三保の松原で、ひねり出した「その先へ」》21年12月にスタートした当企画の題字は「何かを成し遂げるって良いんじゃないですか」という岩崎の発案で決まった。昨年、プロ10年目でリーグ優勝、日本一を「成し遂げた」ことで今年から題字をマイナーチェンジ。景勝地「三保の松原」で富士山を眺めながら頭をひねった左腕は「“その先へ”を付けましょう。まだまだ成し遂げた先に目指すものはある」と口にしながら色紙に記した。

おすすめテーマ

2024年01月05日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム