石川県出身の青学大・中田達也外野手「地元に勇気を届けたい」 狙うは「1番・中堅」

2024年01月05日 21:55

野球

石川県出身の青学大・中田達也外野手「地元に勇気を届けたい」 狙うは「1番・中堅」
地元の石川へ勇気を届ける活躍を誓った青学大の中田(撮影・村井 樹) Photo By スポニチ
 東都大学野球リーグの青学大は5日、相模原市内のグラウンドで始動。石川県加賀市出身で帰省中に「令和6年能登半島地震」を経験した中田達也外野手(2年=星稜)は「今までとは違う思いで地元から帰ってきた。石川に勇気を届けられるような結果を残したい」と、並々ならぬ思いで新たな戦いを見据えた。
 地震発生時、実家にいた中田は突然鳴り出した緊急地震速報に驚いた。「むちゃくちゃ怖かったです」。同市内は震度5強の地震が襲うと、津波警報も発令。「東日本大震災とかのこともありすぐに逃げました」と、海から車で10分ほどの所にある実家から母、妹とともに高台へ避難。幸い、実家等に被害はなかったが「隣町とかに行けば断水とかしていて…」と、一瞬で変わり果てた地元の姿に心を痛めていた。

 そんな中田の心を勇気付けたのはスポーツの存在だった。地震発生翌日の2日には母校・星稜が全国高校サッカー選手権を戦った。地元から応援団が駆け付けられない中、多くの観客が声援を送ってくれる姿をテレビ観戦し「あんなに応援してもらって本当にうれしかった。選手も石川を代表して戦ってくれてありがたい」。同じキャンパスに通う駅伝部は箱根駅伝で優勝し「スポーツには勇気や元気を与える力があると改めて思えた」と前を向けた。

 「自分だけ野球をしていていいのか。このまま残った方がいいのではないか」。石川から寮へ戻る際、そんなことが頭をよぎったが家族から「お前には野球があるんだから頑張ってきなさい」と背中を押され、金沢を後に。「何としてもレギュラーを獲る」と強い覚悟を持って練習初日を迎えていた。

 中田は昨春にリーグ戦デビューを果たすなど昨年は飛躍の年となった。特に準優勝した神宮大会では不動の1番としてチームをけん引してきた中島大輔主将(4年=龍谷大平安)が初戦で負傷すると、準決勝は代わって「1番・右翼」で出場。先制2ランを放つなど勝利に貢献してみせた。

 大好きだった中島主将は楽天から6位指名を受けてプロの世界へ飛び立つ。抜けた穴を埋めるため「次は自分が1番センターを打ちたい」と中田は力強く誓った。今年は夢のプロ入りのためにも結果が求められる3年生。「自分のためではなく、誰かを勇気付けるために戦いたい」と地元・石川への思いも胸に、中田は必死にバットを振る。(村井 樹)

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