岡田阪神の“秘蔵っ子”　高卒2年目・門別が紅白戦大胆予告「輝さん、大山さん空振りで抑えます」

2024年01月12日 05:15

野球

岡田阪神の“秘蔵っ子”　高卒2年目・門別が紅白戦大胆予告「輝さん、大山さん空振りで抑えます」 — キャッチボールする阪神・門別（撮影・大森　寛明） Photo By スポニチ

　猛虎が誇る左右の和製大砲が、試金石だ。阪神・門別啓人投手（19）が11日、今年初めて兵庫県西宮市の鳴尾浜球場で自主トレを行い、今春キャンプ中の2月11、12日に実施予定の紅白戦で、大山、佐藤輝の主軸2人との対戦を熱望。最速150キロを誇る自慢の直球で、空振り三振に仕留めることを予告した。岡田監督からも大きな期待を受ける高卒2年目左腕。目下の目標である開幕先発ローテーション入りへ、最高のアピールを期す。

　この日、鳴尾浜で本格始動した高卒2年目左腕・門別。その口から新年早々、大胆予告が飛び出した。今春キャンプ中の2月11、12日に予定される紅白戦で、大山、佐藤輝の2人を空振り三振に仕留めることを宣言した。

　「（紅白戦では）前に飛ばさせないような勢いで投げたい。空振りがいっぱい取れればいい。（自信は）あります。輝さん、大山さんが対戦してみて雰囲気を感じたので、そこはしっかり空振りで抑えたいと思います」

　2年目の飛躍へ、これ以上ない試金石となる。日本一軍団の主軸を担う左右の和製大砲とは、CSファイナルステージ前の調整として実施された昨年10月9日のシート打撃でも対戦。その時は大山を中飛、佐藤輝を二ゴロに打ち取った。佐藤輝のバットをへし折ってもみせた。今春はそれ以上の結果を目指す。

　自信を裏付ける土台を築き上げてきた。昨年12月上旬に北海道へ帰省。約1カ月の滞在期間中は札幌市の母校・東海大札幌や日高町の自宅周辺で、雪の上を走り込んだ。積雪10センチほどでも、普通の路面に比べれば足元は不安定で、下半身にかかる負荷は大きくなる。「足が不安定な分、普通に走るより疲れる。走ることだけではなく他にも意識しないといけないので野球につながっていると思う」。そんな雪上ランを毎日30分消化。ウエートトレ、キャッチボールなども欠かさなかった。

　そのかいもあって、体重は88キロから90キロ近くまで増量。スクワットの重量は昨年までの100キロから、今年は120キロを上げられるようになった。鳴尾浜に帰ってきてキャッチボールなどを行い、その効果を改めて実感。「思い切り投げていないし軽く投げても球がいっている感覚があったので、いい感じ」。この感覚が、「大胆発言」の原動力だ。

　昨年9月30日広島戦のプロ初先発では5回無失点の堂々たる投球を展開。昨秋キャンプでは岡田監督からMVPにも指名され、「開幕ローテも狙える」と大きな期待を受けた。発奮材料には事欠かない。「シーズン中じゃなくても名前が出ることはうれしい。もっと頑張らないと、という気持ち。期待以上できるように頑張りたい」。一躍、“アレンパ”のキーマンに躍り出る。（松本　航亮）

　≪昨秋Cで岡田監督が絶賛≫岡田監督は昨秋キャンプで門別を絶賛した。「投手のMVP」に指名し、後に阪神のエースとなる井川慶の1年目と比べて「そら井川より全然いいよ」と称えた。さらに「楽しみどころちゃうよ。あんまり新聞に（いいと）書くなよ」と独特の言い回しでベタ褒めした。また、昨年12月のハワイ優勝旅行中にはセ5球団とのオープン戦には「そんなん投げさせへんよ。もったいない」と語り、開幕まで隠す方針を示していた。

　◇門別　啓人（もんべつ・けいと）2004年（平16）7月10日生まれ、北海道日高町出身の19歳。東海大札幌では1年秋からベンチ入り。3年夏の南北海道大会は4強で甲子園出場なし。22年ドラフト2位で阪神入団。23年は9月15日広島戦の救援でデビュー。2試合で0勝0敗、防御率3・38。1メートル83、86キロ。左投げ左打ち。

　▽門別のシート打撃登板　23年10月9日、甲子園での1軍全体練習で、同期入団の茨木とともに1軍主力相手のシート打撃に初登板。7人と対戦して（1）佐藤輝＝二ゴロ、（2）ノイジー＝右安、（3）坂本＝一ゴロ、（4）木浪＝左飛、（5）近本＝遊飛、（6）中野＝遊ゴロ、（7）大山＝中飛の7打数1安打。対佐藤輝ではバットをへし折るボールに「自信になりました」と手応えを見せた。

　○…門別は帰省していた年末年始に“みどり餅”を食べてパワーを蓄えた。祖母・門別みどりさん（60）お手製の「緑色のきな粉餅」が大好物。「自分、おばあちゃんが作ったきな粉餅がめっちゃ好きで…普通、きな粉餅は茶色だと思うけど、薄緑。味が好きです」と声を弾ませた。時期を問わず、頼めばいつも3つほど用意してくれ、それを間食として食べてきたという。「家に行くたびに“頑張って”と言われる」。愛情たっぷりの“力餅”も原動力に、今季は北海道に住む祖母の元まで届く活躍を目指す。