【選抜直前連載 光る君たちへ(2)】熊本国府 30歳の青年監督が率いる九州王者 堅守武器に聖地へ挑む

2024年01月25日 07:15

野球

【選抜直前連載 光る君たちへ(2)】熊本国府 30歳の青年監督が率いる九州王者 堅守武器に聖地へ挑む
昨年の秋季九州大会を初めて制した熊本国府ナイン(撮影・中島泉)
 一躍、頂点まで駆け上がった。06年創部の熊本国府(熊本)は昨秋の九州大会準決勝で神村学園(鹿児島)、決勝では明豊(大分)と“九州の雄”を次々と撃破。神宮大会は初戦で関東第一(東京)に敗れたものの、春夏通じて初の甲子園出場を確実にした。就任4年目で30歳の山田祐揮監督は「控え選手も含めて10%ずつ、自分の力以上を出してくれた」と目を細める。
 強さの秘密は、高い守備力にある。昨秋の公式戦の失点は10試合で30と1試合平均3失点。難しいゴロの打球でも的確に処理する姿が躍進を支えた。

 日頃の成果だった。平日の約2時間の練習は、走者を置いた状況の守備練習がほとんど。今春選抜から事故防止を目的に導入される低反発の新基準金属バット対策として「間違いなく長打は減る」と山田監督は守備を重視。最終学年となる部員は入学時から意識高く取り組んできた。自主練習の時間でもノックを受ける部員が多いという。主将の野田希(のぞむ=2年)は「野球は守るものだと思っている」と胸を張る。

 山田監督は、聖地での経験が豊富だ。高校時代は熊本工(熊本)で09年夏の甲子園に出場。敗れた1回戦は第4試合でナイターだった。「テレビで見ているような雰囲気の中でさせてもらった。ああいう舞台に立って野球をしてほしいなという思いでやっている」。指導者としては日南学園(宮崎)のコーチとして、春夏3度甲子園の土を踏むなど実績も十分だ。新チーム最初のミーティングで掲げた目標は甲子園ベスト4。「甲子園には縁があるんです」と話す指揮官の下、堅い守りから熊本国府の名を全国にとどろかせる。 (杉浦 友樹)

 ◯…熊本からは過去10校が選抜に出場。そのうち初出場で初勝利を挙げたのは26年熊本商、47年済々黌、67年鎮西、80年九州学院の4校で、最高成績は熊本商の4強(2勝)。他の3校は1勝どまりで、初出場に当確ランプをともしている今年の熊本国府が2勝を挙げれば県勢初出場校の最多タイ、3勝なら県勢初出場校の最多勝利を更新する。

 ▽熊本国府 1941年(昭16)に熊本女子商として開校し、94年から現校名。95年から男女共学化された私立高校。生徒数は1321人(男子715人、女子606人)。主な卒業生は稲倉大輝(元オリックス)、大里桃子、竹田麗央(ともにプロゴルファー)ら。所在地は熊本県熊本市中央区国府2丁目15番1号。

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