ドジャースの690億円の先発投手補強は「高額な宝くじを買ったようなもの」地元紙コラムニスト指摘

2024年02月01日 10:51

野球

ドジャースの690億円の先発投手補強は「高額な宝くじを買ったようなもの」地元紙コラムニスト指摘
ドジャースの大谷翔平(左)と山本由伸
 ロサンゼルスタイムズ紙のコラムニスト、ディラン・ヘルナンデス記者が1月31日(日本時間1日)このオフのドジャースの先発投手の補強について「4億7000万ドル(約690・5億円)も使ったけど、高額な宝くじを買ったようなもの」と表現、「チームは大きく勝つか、大きく負けるかのどちらかだ」としている。
 ド軍は大谷翔平の獲得も含め、総額12億ドルの補強をした。これについては「チームは忠実なファンたちに借りがあり、お金は使うべきだった。問題はお金の使い方が賢かったかのかどうかだ?」と指摘する。

 具体的には23年の開幕時にエース格だったフリオ・ウリアスとクレイトン・カーショーの代わりに山本由伸とタイラー・グラスノーを獲得。右ひじ側副靱帯再建術(通称トミー・ジョン手術)のリハビリで投げられないトニー・ゴンソリンの代わりに、2度目の同手術を受けたウォーカー・ビューラーが復帰してくる。再生プロジェクトとしては、ノア・シンダーガードの代わりがジェームス・パクストンだ。さらにもう一人はメジャー2年目のボビー・ミラー。より才能のある投手たちで固めてはいるが、より信頼できるかどうかは全くわからないとする。

 例えば小柄とされう山本はメジャーの162試合の長いシーズンはもたないかもしれないし、グラスノーも今季もまた長いイニングを投げられないかもしれない(これまでの最多は23年の120イニング)。ビューラーについても、一般に2度目のトミージョン手術から元の状態に戻れる確率は高くない。パクストンも昨季は負傷者リストで終わったし、20年から22年はトータルで6試合の登板だからもう何も残っていない投手なのかもしれない。メジャー2年目のミラーは投手としての成長が止まるかもしれない。

 つまりは天井を高くしたが、床は上げなかった。メジャー最高のローテーションになるかもしれないが、去年(防御率4・57で30球団中20位だった)と同じかもしれない。10月にローテーションが崩壊していれば、23年と同様、ポストシーズンに入って、即敗退である。

 ヘルナンデス記者は「アンドリュー・フリードマン編成部長のこの補強はポテンシャルを重視する一方、これまでの実績は重視していない」と危惧。その一方で「擁護すれば、去年の宝くじはシンダーガードだけだったが、今年はより多く宝くじを買ったから、失敗の許容範囲は広い。加えてギャビン・ストーンとエメ・シーハンとメジャー2年目の投手が2人交代要員として控えている。リハビリ中のダスティン・メイがシーズン終盤に戦列に復帰し、カーショーも再契約して終盤に戻ってくるかもしれない」と補足もしている。

 投手力としては、大谷が投げられる25年の方が上になるのかもしれない。しかし、ヘルナンデス記者は今年のチャンスを生かすべきだと強調。なぜなら大谷は7月に30歳になるし、フレディ・フリーマンは9月に35歳、ムーキー・ベッツは10月に32歳で、攻撃力は今年が最強かもしれないからだ。それだけに高額な宝くじのようなローテーションが心配なのである。

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