慶大・渡辺憩 初打席代打サヨナラ弾!昨夏甲子園Vに続きまた歴史刻んだ「夢の中にいる感じ」

2024年04月30日 05:00

野球

慶大・渡辺憩 初打席代打サヨナラ弾!昨夏甲子園Vに続きまた歴史刻んだ「夢の中にいる感じ」
<慶大・法大>12回、サヨナラ弾を放ちナインに迎えられる慶大・渡辺憩(右)(撮影・大城 有生希) Photo By スポニチ
 【東京六大学野球・第3週最終日   慶大2―1法大 ( 2024年4月29日    神宮 )】 新人がリーグ史上初の快挙で劇勝を呼んだ。慶大・渡辺憩捕手(1年)が29日、法大戦の1―1の延長12回1死走者なしから代打出場し、左越えソロ。100年目を迎えたリーグ戦では史上初の「初打席代打サヨナラ本塁打」となった。昨夏の甲子園では、慶応(神奈川)の捕手として107年ぶりの優勝に貢献。1年生の華々しい神宮デビューにより2―1で勝利したチームは、2勝1敗で勝ち点を2とした。
 「KEIO」が107年ぶりに甲子園を制した夏から250日。渡辺憩が再び歴史の扉を開いた。引き分け寸前だった延長12回1死走者なしから代打で初出場。カウント3―1から外角高め直球を捉えると、左翼手は一歩も動くことなく頭上の打球を見送った。白い歯を光らせダイヤモンドを一周。本塁付近で仲間からの手荒な祝福が待っていた。

 「もう何が起きたか分からないんですけど凄い最高な気分。思いきったスイングで真っすぐを叩いてやろうという気持ちだった。打った瞬間に“行ったかな”と思いました」

 正真正銘の快挙だった。1925年(大14)に始まり、日本最古の大学野球リーグとして知られる東京六大学野球。来年には創設100周年を迎えるが、初打席での代打サヨナラ本塁打はこれが史上初めてだ。

 長所は「パンチ力とフルスイング」で、1年生ながら背番号49でベンチ入り。昨夏の甲子園では全5試合で安打を放ち、仙台育英との決勝戦では強力打線の3番を任された。高校通算14本塁打を誇った右の強打者。堀井哲也監督は代打で送り出すと、ベンチ内で「これでホームランだ!」と予言していたという。カウント3ボールでも指揮官のサインは「打て」。甲子園で好投手を打ち砕いてきたように、狙っていた直球を逃さず捉えた。

 慶応高でチームメートだった丸田が「1番・中堅」として2試合連続スタメン出場。昨夏の甲子園では色白で甘いマスクから「プリンス」として人気を博した一方、正捕手の渡辺憩は「高校野球ではヒーローになったことがなかった」と振り返る。ただ、昨夏の甲子園が始まるまでは、実は野球部内でのイケメンキャラは丸田ではなく、端正な顔立ちの渡辺憩の方。リーグ戦初スイングで主役の座を奪い、「夢の中にいる感じ」とはにかんだ。

 「僕たちが1年生ながら活躍することで、チームも強くなると思いますし、(丸田とは)フレッシュな気持ちで頑張ろうというふうに話し合っています。楽しく野球ができているので、ノビノビやっていきたいと思います」

 昨秋日本一に輝いた慶大に吹いた爽やかな風。2季連続優勝へ頼もしい新戦力が加わった。(柳内 遼平)

 ≪初打席サヨナラ弾は2人目≫東京六大学野球での初打席初本塁打は、22年秋に山根滉太(法大)が立大1回戦で放って以来史上32人目だ。代打では15年春に竹中良太(東大)が法大2回戦でランニング本塁打して以来15人目。サヨナラ本塁打に限ると、79年春に城石淳(明大)が法大1回戦で延長12回に2ランを放って以来2人目だった。

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