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谷繁元信氏「このままだったら多分、クビになるな」 若手時代に成長を促してくれた恩師の教えに感謝

2024年08月05日 17:14

野球

谷繁元信氏「このままだったら多分、クビになるな」 若手時代に成長を促してくれた恩師の教えに感謝
元中日監督で野球評論家の谷繁元信氏 Photo By スポニチ
 今年1月に野球殿堂入りした元中日監督で野球評論家の谷繁元信氏(53)が4日放送のTBSラジオ「SPORTS BULL presents 石橋貴明のGATE7」(日曜前7・00)にゲスト出演。名捕手に成長するまでの背景にあった恩師の教えを明かした。
 この日の放送は、7月23日に収録。球宴第1戦前に行われた野球殿堂入り表彰式を数時間後に控えた当日、エスコンフィールド近くにあるホテルの一室で行われた。

 番組パーソナリティーを務めるお笑いコンビ「とんねるず」の石橋貴明(62)を相手に、もともとは投手や三塁手をしていながら高校1年の5月に捕手に転向したいきさつなども懐かしそうに振り返った谷繁氏。

 高卒のドラフト1位指名で大洋(現DeNA)入りしたプロ1年目については「まだ僕も子供でしたから“そういう扱い”でしたね。あんまり無理はさせないように、大丈夫か?大丈夫か?っていうような感じで」と首脳陣からも気をつかわれていたという。

 だが、転機となったのはプロ4年目だった。「4年目の途中ぐらいに。大学4年生じゃないですか、4年目っていうことは。だから、次に同い年の選手が入ってくる可能性がある。その前に、僕の1個上、2個上の人がちょっと成績が悪かったらみんな戦力外になっていくっていう…」と厳しい現実を見せつけられた。

 「やたらとそれが気になり始めたんです。これは、自分も近い将来、このままの数字だったら、多分クビになるな、と思ったんですよ。そこからですね」。意識が変わり、やる気スイッチがオンになった。

 もともとはドラフト1位指名。打撃にも自信はあった。それでも実際に自身が置かれた状況にハッとした同じタイミングで、球団が大洋から横浜に。ここで、かつてヤクルト時代に名捕手として鳴らし、のちに監督となる大矢明彦氏(76)がバッテリーコーチに就任し、20代前半だった若手捕手・谷繁の指導にあたった。

 この出会いが大きかった。

 「キャッチャーとは。プレーもそうですし、普段の生活でキャッチャーに必要なことはとにかくやりなさい、とか。たとえば、観察力とか、洞察力とか、直感とか。そういうのを、とにかく普段の生活から常に意識しながら生活しなさい、と。たとえば、向こうから人が歩いてきます、街なかを。この人はどっちに動くのか。たとえば正面。その人と正対すると、どっちかがよけないといけない。それを、この人がどっちによけるかなとか瞬時に、ちょっとした動きで判断しなさい、とか。それをやりなさいって言われたんです」。

 当時はすでに自動車を運転して球場入りしていた谷繁氏。大矢バッテリーコーチのアドバイスを普段の生活で実行するために、まだETCがなかった時代に「第三京浜の真ん中の車線から一瞬にして判断して、どこのレーンが一番速いか、とか」と料金所で観察力を磨いたという。

 「それも、要するに勘ですよね。それを瞬時に、こいつはこういうのを待っている。そしたらこういう動きになる、とか。一瞬の判断を磨きなさいっていう」。第三京浜の料金所で磨いた能力を試合で打者との駆け引きに生かし、球史に残る名捕手へと成長したのだった。

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