崖っぷちに立たされた経験が糧に 中日・細川「後悔がないように。考えて打席に立っています」

2024年08月22日 07:30

野球

崖っぷちに立たされた経験が糧に 中日・細川「後悔がないように。考えて打席に立っています」
中日・細川 Photo By スポニチ
 苦境が続くチームで、打線の柱として存在感を放っている。中日・細川成也外野手(26)だ。8月21日時点で、124安打はリーグ最多。全113試合に出場し、打率・297(2位)、16本塁打(5位)、52打点(6位)。主要な打撃タイトルを狙える位置に付けている。
 「状態は悪くないのかなと思います。継続する意識? そうですね。それだけです」

 現役ドラフトでDeNAから移籍した昨季は140試合に出場し、打率・253、24本塁打、78打点と7年目の急覚醒。さらなる飛躍のポイントが確実性の向上だった。ヤクルト・サンタナ(同・310)との首位打者争いをしている事実が、確かな成長を物語るが、細川は「それは1年終わってみてですね」と目の前の一試合、一打席に集中する。

 持ち味の一つが、立浪監督が「人にはない、練習できる体力がある」と評価する人並み外れた頑健さ。毎日のように試合が行われるプロ野球で“体の強さ”は重要。今年の沖縄・北谷の春季キャンプでも、和田打撃コーチらからタイミングを含めた打撃指導を受け、連日のように遅くまでバットを振った。オフからずっとハードワークを重ねながら、ここまで全試合出場を続けることは価値がある。

 印象深い言葉は、7月20日の巨人戦で天敵・戸郷からチーム30イニングぶりの得点となる決勝弾を放った時の「後悔がないように。考えて打席に立っています」。結果を残せなかった古巣時代。一度は、いわば崖っぷちに立たされた男の芯の強さがうかがえる。

 荒削りな部分が残るが、それこそ伸び代。ヤクルト・村上、巨人・岡本和ら若き強打者が居並ぶセ・リーグで、初タイトルをつかめるか。背番号55が描く、さらなる上昇曲線に注目だ。(記者コラム・湯澤 涼)

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