【甲子園】関東第一・大後 100歳の甲子園で100歳のひいばあちゃんに贈る100点快投

2024年08月22日 05:00

野球

【甲子園】関東第一・大後 100歳の甲子園で100歳のひいばあちゃんに贈る100点快投
<関東第一・神村学園>先発する関東第一・大後(撮影・亀井 直樹) Photo By スポニチ
 【第106回全国高校野球選手権大会第13日・準決勝   関東第一2―1神村学園 ( 2024年8月21日    甲子園 )】 甲子園は100歳、曽祖母も100歳――。1924年8月1日に甲子園球場が誕生。同年6月23日、関東第一の背番号11・大後武尊(おおご・たける=3年)の曽祖母にあたるハツさんが生まれた。大正、昭和、平成、令和を生き、曽孫の高校入学直前に介護ホームに入居。「タケルが甲子園に行くから長生きしようね!」が家族の口癖で、ついに、その時がやって来た。
 誰も予想できない大抜てき。今春の選抜も含めた過去4試合で登板のなかった大後の先発がアナウンスされると、聖地がどよめいた。試合前に米沢貴光監督から告げられ「投げたくてウズウズしていた。まさか今日とは…」と驚きつつ、「楽しみと緊張が五分五分」でマウンドに駆けた。

 初回2死二塁でプロ注目の4番・正林をスプリットで遊ゴロに退け、流れに乗った。直球は自己最速を1キロ更新する142キロをマークし、チェンジアップはブレーキ抜群。5回を4安打1失点に封じ、大役を果たした。1点を追う7回に5番・越後駿祐(2年)の初安打を機に2得点で逆転。9回は劇的なバックホームで勝利をつかみ取り、大後は「うれしすぎて涙が出ました」とかみしめた。

 千葉県富津市出身。同じ敷地で暮らしたハツさんの愛に包まれて育った。幼少期はキャッチボールもした。甲子園大会の開幕前には動画で、これまで何度も言われた「タケル、頑張れ」のエールをもらった。この日、富津の施設で中継を見守った曽祖母に吉報を届けた大後は「感謝しかない」と言った。

 名の「武尊」は古事記などに登場する古代の英雄「ヤマトタケル」が由来。初戦から3試合連続で登板していた左腕・畠中鉄心(3年)の温存に成功した。4試合でわずか5失点の守備力で、悲願の初優勝まであと1勝。「米沢さんに優勝を届けたい」と大後。関東第一の「神話」をつくる時が来た。(柳内 遼平)

 ◇大後 武尊(おおご・たける)2006年(平18)7月15日生まれ、千葉県富津市出身の18歳。小1から野球を始め、富津中では袖ケ浦リトルシニアに所属。関東第一では2年秋からベンチ入り。1メートル74、70キロ。右投げ左打ち。

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