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阪神・藤川新監督「力がないベテランは必要ない」 就任会見で超実力主義宣言「相手を倒す絶対的力が必要」

2024年10月16日 05:15

野球

阪神・藤川新監督「力がないベテランは必要ない」 就任会見で超実力主義宣言「相手を倒す絶対的力が必要」
就任会見を終え、笑顔でポーズを決める阪神・藤川球児新監督(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 阪神の第36代監督に決まった藤川球児新監督(44)が15日、大阪市内で就任会見を行い、球団創設90周年となる来季のV奪回へ向けて超実力主義を打ち出した。チームビジョンや期待する選手の明言を避けて“球児カラー”を伏せる一方、年齢や実績よりも選手個々の「能力」を優先して起用する可能性を示した。3年契約とみられ、推定年俸は8000万円。背番号は、現役時代に付けた「22」に決まった。
 力なき者は去れ――。藤川新監督が立て板に水の会見で、強烈なメッセージを発信した。

 「ファンの方には選手の名前、顔、背番号が大切かもしれない。ただ、相手を倒す意味では絶対的な力が必要。(期待するのは)どんな選手と聞かれたら、能力ある選手を数字とともに見たい」

 実力さえあれば使うというスタンスは、まるで“第2の藤川球児”を発掘する意思表示のようだ。高卒のドラフト1位で入団しながら鳴かず飛ばずで一時は戦力外寸前まで追い込まれた。第1次政権の岡田監督に救援の適性を見いだされなければ、プロ野球歴代5位の243セーブを挙げられなかった可能性があった。チームに埋もれる新しい戦力の台頭を望むように、こんな厳しい言葉も発した。

 「プレーヤー個人に力がないベテランは、僕は必要ない」

 裏返せば、年齢も実績もフラットにして選手の力量を見極めるということ。チームビジョンや期待する選手の個人名を伏せて独自色を打ち消す一方で、実力主義を強く訴えた。

 20年限りで現役を退いた後は球団のスペシャルアシスタントとして、さまざまな角度からチームに関わってきた。阪神に彩られた野球人生。今回の監督要請を「これも運命なのかな」と受け入れた。就任会見には映像カメラは14台、120人の報道陣が集結。チームカラーである黄色のネクタイを締め「普段はできるだけ(阪神の)色と合わせないようにニュースを読んだりしていたので。ここに来たらそれができるのはちょっとうれしい」と猛虎愛を口にした。

 22日に始まる甲子園での秋季練習は、初日から指揮を執る。
 「選手の表情を見たりとか、当たり前だと思う。僕としては迷わせないこと。最初、選手は何をしたらいいんだろうと思うんですよ。指導者やリーダーが変わると、絶対にそれが出るので」

 宮崎で28日まで開催中のフェニックス・リーグにも足を運び、若虎を生チェックする。球団創設90周年を迎える来季、目指すものは「当然、勝ちにいきます」。現役時代の代名詞「火の玉ストレート」のごとき熱いハートが、2年ぶりV奪回の原動力になる。
 (倉世古 洋平)

 ≪阿部巨人を警戒≫藤川新監督が今季の優勝チームである巨人を警戒した。「巨人はしっかりとしたチーム。阪神の選手も力はあるので引き上げるようにコーチとタッグを組んで知恵をひねり出したい」。今季は12勝12敗1分けと五分の対戦成績。伝統の一戦が盛り上がりを見せることは必至で、真っ向勝負を挑むつもりだ。敵将の阿部監督とは現役時代から「守護神」と「4番打者」としてしのぎを削ってきたライバル関係にあり、指揮官同士となった来季から第2章がスタートする。

 ◇藤川 球児(ふじかわ・きゅうじ)1980年(昭55)7月21日生まれ、高知県出身の44歳。高知商から98年ドラフト1位で阪神入団。05年から頭角を現し、最優秀中継ぎと最多セーブを各2度受賞。12年オフに海外FA権を行使し、13年からメジャーでプレー。四国・高知を経て16年に阪神復帰し、20年引退。NPB通算782試合で60勝38敗243セーブ、防御率2.08。21年から阪神のスペシャルアシスタント(SA)に就任。06、09年WBC、08年北京五輪日本代表。右投げ左打ち。

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