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昨季先発で防御率6点台のウィーバーが名門ヤンキースの絶対的クローザーに 突然の覚醒の理由は?

2024年10月17日 11:40

野球

昨季先発で防御率6点台のウィーバーが名門ヤンキースの絶対的クローザーに 突然の覚醒の理由は?
ヤンキースのルーク・ウィーバー(AP) Photo By AP
 大リーグ公式サイトがヤンキースのクローザー、ルーク・ウィーバー投手(31)について詳細に報じている。
 今季は中継ぎだったが、9月にクローザーに配置転換されてから3勝4セーブをマーク。プレーオフでもヤンキースの5勝すべてを締めくくり、4つのセーブを記録した。4セーブのうち3つは1イニング以上の登板で、7イニングで9三振を奪った。

 24年全体の成績は62試合に登板し、84イニングを投げ、103奪三振、26四球、防御率2・89。メジャー9年目でベストシーズンとなった。良くなった理由は直球と、チェンジアップの握りを調整ことにある。直球はよりライズし、チェンジアップはより沈むようになった。

 昨季は主にレッズに在籍し、先発投手を務めたが、防御率6・40で、直球の質はMLBで平均的なものだった。球速は94マイル(約151.2キロ)で、変化球の垂直、水平への動きを表す数値も平均に近かった。

 しかし、今季はヤンキースのエース、ゲリット・コールのおかげで直球の握りを変更。結果、質が向上した。ほぼ2マイル速くなり、約7・6センチ、ライズするようになった。このライズ幅はクローザーになった9月以降、さらに増加。打者のスイングの上をボールが通過し、今季のポストシーズンで、最も打ちにくい直球の一つとなった。

 チェンジアップについては昨年よりも9・1センチ落ち幅が増した。もともと平均以下の落ち幅だったが、わずかに平均を上回る深さへと進化した。こちらも握り方で、ボールの縫い目の向きを変えた。

 ボールを放すときの縫い目の向きは、ボールの空中での軌道を変え、より多くの動きを与える。この現象は「シームシフトウェイク」と呼ばれる。ウィーバーはこの効果を活用して、チェンジアップを進化させた。チェンジアップの速度は90マイルで、そこからゾーンの下に急降下する。この2つの球種がコンボすることで打者にとっては打ちづらさを増した。

 リリース時のボールの見え方はほぼ同じ。しかし打者に届く頃には全く異なる動きを見せる。直球は真っ直ぐに保たれてゾーンを通過するが、チェンジアップは、手から離れた時に期待されるよりもはるかに大きくフェードしていく。この2つの球種のコンビネーションが効果的で、他の球種が必要なくなった。

 ナックルカーブ、スライダー、スイーパーを捨て、直球、チェンジアップ、カッターの3球種に限定。プレーオフではさらに進んで実質的にカッターも捨てた。安定感を増すウィーバーが名門ヤンキースをワールドシリーズに向けて、けん引している。

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