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【虎番リポート】フェニックスLにオレンジ色の一塁ベース 試験的導入「ダブルベース」のメリットとは?

2024年10月17日 05:15

野球

【虎番リポート】フェニックスLにオレンジ色の一塁ベース 試験的導入「ダブルベース」のメリットとは?
フェニックス・リーグで試験導入された一塁のダブルベース Photo By スポニチ
 宮崎で行われているフェニックス・リーグでは、NPBでの導入に向けた検討のため、今秋から試験的に「ダブルベース」を導入した。3球場(生目の森第2、南郷、西都)で実施。選手の交錯による故障を防止する目的だ。一塁には本来の白いベースに加え、打者走者が駆け抜けるためのオレンジ色のベースがファウルゾーン側に設置されている。このルールで試合を戦った阪神の首脳陣や選手に加え、一塁でジャッジした審判員に、メリットや改善点すべき点を聞いてみた。
 阪神の現場からは好意的な反応が相次いだ。俊足が持ち味の「ケイン」こと福島は、「ベースの色が違うから間違えることもない。野手と離れているからぶつかる可能性は低そう」と口にし、豊田、井坪らも「特に違和感はないですね」と話した。和田2軍監督も、「選手から戸惑いの声は聞かれない。試合前に審判団とも話したけど、衝突防止という意味ではいいかもしれない」と語った。

 また、メリットは、交錯防止だけにとどまらないことが分かった。「ダブルベース」を用いた試合で一塁塁審を務めた野田亮介審判員は、ジャッジのしやすさを感じていた。「1つのベースだと野手の足と打者走者の足が重なるケースがある。でも2つベースがあると、野手と打者走者が離れるので、見やすいなというのは感じますね」。判定の正確性が増すという副産物も期待できそうだ。

 一方、今後の課題はルールの周知。オレンジ色のベースを駆け抜けた後は白のベースに戻らなければならず、これを間違えてアウトになるケースが出てくるかもしれない。また、振り逃げなどファウル地域からプレーする時は、野手がオレンジのベースを使っても良いのだが、レアケースのため、なかなか試合で体験できない。笠原昌春審判員は「(今回は)そういう細かいルールが適用されるようなプレーは起こっていない」とルール浸透の難しさを指摘した。

 課題こそ残るものの、「ダブルベース」は現場目線で評価が高かった。何より選手が違和感なくプレーできていることが大きい。少しでも故障のリスクを下げるためのルール改正や工夫が、これからも重ねられてほしい。(松本 航亮)

 ▽ダブルベース 最初に導入したのはソフトボール。塁間が18・29メートルと野球の27・43メートルより短いため、一塁ベース上での交錯につながりやすく、87年の国際ソフトボール連盟(ISF)ルール委員会でカナダから提案され、可決された。白色の部分をフェアゾーンに、オレンジ色の部分をファウルゾーンに固定する。打者走者は内野ゴロの時は原則としてオレンジベースを駆け抜け、守備選手は白ベースを使用。長打を狙いベースを蹴る際や、一塁走者の帰塁時には白ベースを使用する。

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