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大商大が逆転サヨナラで6季連続27度目の優勝 今秋ドラ1位候補の渡部「勝たせたい一心でバントを」

2024年10月17日 06:00

野球

大商大が逆転サヨナラで6季連続27度目の優勝 今秋ドラ1位候補の渡部「勝たせたい一心でバントを」
<大商大・大経大>サヨナラ勝利で優勝を決めて喜ぶ大商大の選手たち(撮影・河合 洋介) Photo By スポニチ
 【関西六大学秋季リーグ最終節3回戦   大商大2―1大経大 ( 2024年10月16日    皇子山 )】 大商大が大経大との3回戦に逆転サヨナラ勝ちし、連盟最長を更新する6季連続27度目(旧リーグ含む)の優勝を飾った。今秋ドラフト1位候補に挙がる渡部聖弥外野手(4年)は、最優秀選手など4冠に輝いて6連覇に貢献。関西六大学連盟代表として11月3日の明治神宮大会関西地区第1代表決定戦(南港中央)に臨む。
 ヒーローになりたい――。そう思っても不思議のない場面で、チームのために自己犠牲を選んだ。0―1の9回無死一、二塁。大商大の渡部は、ノーサインで送りバントを試み、投前へ転がした。「打っても走者を還せる自信はあった。でも安打の確率より、1死二、三塁の方が点が入りやすいと冷静になって考えました」。勝った方が優勝の天王山で成功させた、1年秋以来の犠打。1死二、三塁から相手の適時失策で同点、その後のサヨナラ打へとつながった。

 連盟史上最多リーグ通算119安打に並んで迎えた最終戦だった。3打数無安打と歴代単独1位に立てないまま訪れた9回の打席。最後のチャンスで「記録はどうでもいい」と迷わず犠打を選んだ。その姿勢を、富山陽一監督から「自分よりチームのことを考え、選択した人間性が素晴らしい」と絶賛された。

 2年秋に1シーズン史上最多5本塁打を記録するなど中軸を張り続け、試合で犠打の指示が出たことはない。それでも「自分がバントをするなら、こういう緊迫した場面しかない」と4年間バント練習を欠かさなかった。最終打席の犠打は、打率・438(48打数21安打)で自身2度目となる首位打者となって報われ、最優秀選手にも選出された。今秋から内野に転向しており、5度目のベストナインを三塁手で初受賞。担当記者クラブ賞と合わせて4冠に輝いた。

 「チームを勝たせたい一心でバントを選択できたことが成長だと思います」。各球団が今秋ドラフト1位候補に挙げる理由は、強肩強打だけではない。チームを勝利に導ける力があることを証明した。 (河合 洋介)

 ◇渡部 聖弥(わたなべ・せいや)2002年(平14)8月31日生まれ、広島県府中市出身の22歳。小1から南少年野球クラブで野球を始めて投手などを務める。中学では府中野球クラブに所属。広陵では1年秋に背番号5でベンチ入りし、2年春に選抜出場。大商大では2年秋のリーグ戦で1シーズン最多記録となる5本塁打を達成。50メートル走6秒1、遠投110メートル。1メートル77、88キロ。右投げ右打ち。

 ≪代打・蜷川が決めた≫蜷川大が、代打でサヨナラ打を放った。9回に同点に追いつき、なおも2死満塁で起用され、1ボールからの直球を左前へ運んだ。「いつでもいけるよう準備していた。ほっとしました」。正捕手ながら、前日の2回戦で今秋初の欠場。出番を待ち続けていた。1学年上の渡部は広陵(広島)時代からの同僚で「(打席を)目に焼き付けようと思っていたらバントしたので“まじか!”と思った」と先輩の犠打を無駄にしなかった。

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