【大学スポーツ】明大スポーツ新聞部
明治大学 紫紺の切り込み隊長・竹村春樹「ショートでベストナインを」
2017年04月05日 05:30
野球
◎再出発
忘れかけていた感触を取り戻した。昨季の神宮大会決勝、2点差で迎えた5回。1死三塁で打席に立つと、2球目の変化球を強振。打球は中前に落ち、逆転の口火となる1点をたたき出した。チーム、そして竹村自身がこの一打を待っていた。
「早くグラウンドに戻りたい」。昨年のリーグ戦では打撃不振とケガで2度のベンチ外を経験した。春は打率が1割台に低迷し、秋は開幕前にケガで戦線離脱。復帰しても守備、代走要員から抜け出すことができない。「上級生になって欲が出た」。不安と焦り…。もどかしさだけが募った。
それでもチームのために。試合中は常に声を張り続け、自分のできることに徹した。神宮大会での殊勲打の裏にあったのは、昨年の4年生の存在の大きさだった。「4年生にしてもらったことを自分が後輩にしてあげたい」。ずっと追い続けてきた先輩の背中を、今度は自分が見せる番になる。
◎超変革
挑戦の打撃改造だ。オフシーズンには大学日本代表の選考合宿に初参加。「勉強になったし、自分の力不足を感じた」。一つ上のレベルに上がるため、何かを変えなければ。行き着いたのは「もう一度、バッティングフォームをやり直す」。春先にかけて、高校時代から一貫してきたスクエアスタンスをオープンスタンスに変更。肩を開き、戻す勢いを利用することでフォームに余裕を持たせる。「理想は佐野さん(恵太選手・平29商卒・現横浜DeNAベイスターズ)」。課題としているヘッドスピードの向上や、打球を逆方向へイメージすることでようやく理想像に近づいてきた。結果にこだわって不振に終わった昨年の1年間があったからこそ、今季も結果にこだわりを見せる。それが竹村の“フォア・ザ・チーム”の在り方だ。
「六大学に憧れて、その中でも明大で野球をやりたかった」。入学してから3年、正遊撃手で活躍するという青写真はまだ実現していない。だからこそ、語気を強めて言う。「打率3割を残してショートでベストナインを取る」。ついに始まる学生野球ラストイヤー、神宮の舞台で竹村春樹の全てをぶつける。(明大スポーツ新聞部・土屋あいり)