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明治大学【対立大3回戦】延長戦の末立大にサヨナラ負け 勝ち点2脱せず4位以下が確定

2017年05月24日 05:30

野球

明治大学【対立大3回戦】延長戦の末立大にサヨナラ負け 勝ち点2脱せず4位以下が確定
歓喜に沸く立大ナインを背にマウンドを降りた齊藤(C)明大スポーツ新聞部 Photo By 提供写真
 【対立大3回戦   明大2-3立大 ( 2017年5月22日    神宮 )】
 白星でリーグ戦を終えることは叶わなかった。最終カードの立大3回戦。前日の敗戦により優勝の可能性はなくなっていたものの、最後に意地を見せたい正念場だった。0―1で迎えた9回、代打の坪井将希外野手(営3=明大中野八王子)が決死の同点適時打を放つと、試合は延長戦に突入。12回に越智達矢外野手(営3=丹原)の犠飛で勝ち越すも、直後に齊藤大将投手(政経4=桐蔭学園)が四死球により二者連続で出塁を許してしまう。最後は4番・笠松(立大)に打球を左中間に運ばれ、2―3のサヨナラ負けを喫した。

勝利の女神は時として残酷だ。2―1で迎えた延長12回裏、1死満塁。両陣営が試合の行方を見守る中、立大の絶対的主砲・笠松に打席が回った。4番としてチームをけん引してきた男の登場に、一塁側スタンドのボルテージは最高潮。齊藤が投じた3球目は左中間へ運ばれ、決勝点となる2点適時打に。歓喜を浮かべた立大ナインが勢いよくベンチから飛び出してくる横で、齊藤は悔しさを噛みしめながらマウンドを後にした。

 我慢の投球だった。12回、1番打者・寺山(立大)のバント処理の際に齊藤と橋本大征捕手(総合2=佼成学園)が交錯。念のため投球確認し、再び打者を相手にした。しかし、続く2人の打者に連続で四死球を与え満塁。たまらずマウンドに駆け寄った善波達也監督に「いきます」(齊藤)と自ら続投を志願した。対立大の3戦全てでチームのために奮投したエース。8回を1失点に抑えた先発・森下暢仁投手(政経2=大分商)と共に粘投を続けたが、勢いづいた立大打線を前に踏ん張り切ることができなかった。

 最後に見せたのは、紛れもない“粘りのメイジ”の野球だった。8回までに得点圏に走者を進めた回数は5。打線がつながらず、リーグ戦を通しての課題であった勝負弱さをこの日も露呈した。そんなチームの望みをつなげたのは、日の目を見ることのなかった努力人の一振りだった。9回2死二塁、0―1。敗戦までアウト一つに迫った場面で、場内に代打・坪井を告げるアナウンスが響いた。「ストライクが来たら、どんな球でも初球から食らい付こう」(坪井)と打席に臨むと、勢いよく初球を振り抜いた。完璧な当たりではなかったが、高く上がった打球は右翼手の前方へ落下。同点に追い付く適時打となった。3年目にして初のベンチ入りを果たした今試合。初めての神宮の舞台で放った一打は、試合を振り出しに戻す値千金の安打となった。12回には1死二、三塁で越智が左飛を放つと、三塁走者・添田真海外野手(法2=作新学院)が本塁へと好走塁。浅めの飛球ではあったものの、左翼手・山根(立大)の返球が逸れたこともあり、意地の追加点とした。

 明大の優勝が消滅し、勢いに乗じた立大が攻勢を強めて向かってきてもなお、試合を諦める選手は誰一人いなかった。「明治らしい“粘り強さ”を見せよう」(中野速人主将・法4=桐光学園)。試合前に主将が口にした言葉に鼓舞され必死に食らい付いた。意地は見せたものの、3時間15分に及ぶ死闘の軍配は立大に。最終戦を白星で飾ることはできなかった。試合が決する瞬間まで懸命に戦い抜いた明大。勝負には敗れるも、消えかかっていた紫紺の矜持(きょうじ)を最後の最後で取り戻してみせた。

 再出発を切る。戦後初の3連覇を掲げ挑んだ今季リーグ戦。4連勝の後カード3連敗と、結果はふがいないものだった。前日の試合後のミーティングで「負けは野球以外のこともつながっている」(越智)とチーム内での野球に取り組む認識を改めた。明大野球部の掲げる“人間力野球”の重要性を痛感した明大ナイン。この悔しさを次のステップへと継なぎ、秋には生まれ変わった姿で神宮の地へ帰ってくる。[明大スポーツ新聞部 谷山美海]

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