映画「クロス・ミッション」ヨム・ジョンア“ファン・ジョンミン先輩は気遣いの塊”

2024年10月12日 19:30

写真=Netflix
ヨム・ジョンアが映画「クロス・ミッション」の撮影秘話や作品について語った。

ソウル鍾路(チョンノ)区三清洞(サムチョンドン)のあるカフェで、Netflix映画「クロス・ミッション」のヒロインであるヨム・ジョンアのインタビューが行われた。

同作(監督:イ・ミョンフン)は、妻に過去を隠したまま専業主夫として生きる前職エージェントのカンムと、夫の秘密を誤解した強力犯罪捜査隊のエース・ミソンが巨大な事件に巻き込まれるストーリーを描いた娯楽アクション映画だ。

ヨム・ジョンファは出演のきっかけについて「ずいぶん前に台本をもらいました。その時はすぐ撮影に入れる状況じゃなかったのですが、頭の片隅ではずっと考えていました。2022年にサナイピクチャーズで制作し、ファン・ジョンミン先輩が出演するという話と共に台本が来ました。とても面白く読ませてもらい、やっと撮影できるんだ! と快く出演を決めました」とし「劇中人物が、典型的なキャラクターと比べ夫婦の役割が逆転していましたが、その部分がとても魅力的でした。今まで考えていたものと全て異なっていて、女性が仕事をして夫を食べさせる部分もそうですし、どんでん返しも面白かったです」と語った。

Netflixを通じて全世界で同時公開された感想については「Netflixでの映画出演は初めてです。そのため期待とときめきがありました。成績も全世界で8位だったそうで! もっと成功してほしいんですが、最終目標までは考えたことはなかったです。誰かが8位になったことをキャプチャーして送ってくれたのを見たりもして、心が躍りました」とし「反応も毎日見ています。ただ、どこに入って何を見ればいいのかよく分からなくて、皆さんが投稿してくれるのを見ます。Instagramではよく見つけられなくてX(旧 Twitter)を見ることが多いですね。私が見た良い評価は『ファン・ジョンミン先輩と相性が良く、また別の作品で共演してほしい』というコメントでした」と話した。

劇中、元射撃国家代表で強力犯を打ちのめすエース刑事のミソン役を演じるヨム・ジョンアは「私はコミカルな役や中性的な役もたくさんしましたが、ミソンのようなキャラクターは初めてでした」とし「台本に描かれたミソンを、私が感じるままに表現したかったんです。外見はボーイッシュに見せたくてショートヘアにしたし、衣装もパンツを中心にしました。あえてベテラン刑事として声のトーンも低くしたり、さりげなく吐き出す台詞が自然に出る状態まで持ち込みました。特に先輩役だったチョン・マンシクさんには劇中、私が後輩なんですが階級では上だったので命令口調で話すため努力しました」とエピソードを伝えた。

アクション演技についての話も欠かせない。彼女は「アクションについてロマンがあったわけじゃないですが、作品が好きでやっていました。どのように映ったのか心配もしましたが、かなりカッコよく出来たようでした。現場で言われた通りに転がって、撃って、しっかりこなせたと思います。同時にたくさん助けていただきました。坡州(パジュ)にあるアクションスクールに行って銃の持ち方などを学んだんです。基本的には私がアクションを全部するんですけど、代役の方々がしてくれる部分も多くて。カメラが私に向けられたとき、それらしい表情を作らなければいけなくて……表情もアクションの1つだと思って、細かい部分にもたくさん気を使いました」と語った。「以前『H』という映画で刑事役をしたことがありますが、その時、銃についてたくさん学んだんです。撮影時に姿勢やいろんなことを思い出しました。武術の監督がおっしゃる通りに演じました」と説明した。

彼女は「密輸 1970」での水中アクションなど、相次ぐアクション演技について「ずっとやっているうちにアクションにも自信がつきました。もちろん、まだ運動音痴だと思います。『お姉さんの産地直送』で子供たちと走ってみたら、よく走れなかったし、歩調も合わせられなかったんですよ。でも不思議なことに、撮影に入ればそれが出来ました。これは私がその気になればいつでも克服できる問題だな、と思いました」と明かした。魂を込めて撮ったアクションシーンについては「ファン・ジョンミンさんと初めてタッグを組み心を通わせ撮影したシーンです。廊下で全員を撃ち、互いに銃を回しクロスして撃ったあのシーンは印象的ですね。そしてチョン・ヘジンさんと女性二人でのシーンもしっかり映るよう、努力しました」と付け加えた。

劇中、夫として息の合った演技を見せたファン・ジョンミンとの関係性も見逃せない。ファン・ジョンミンは有能なエージェントだった過去を隠し、ベテラン主婦カンム役に扮し、妻をサポートする夫としてユニークな魅力を披露した。そして二人は優しい夫で主夫のカンムと、ワイルドでタフな妻ミソンに扮し、阿吽の呼吸を披露した。

これに対し、ヨム・ジョンアは「ファン・ジョンミンさんが演技がお上手なのはもちろん知っていたけれど、現場で感動したことがあったんです。アクションシーンが多い中、女性も多い現場だったからか、事前に行って安全かを全てチェックしていただいてたんです。現場にも早めにいらっしゃっていて……とても感動しました」とし「普段先輩たちは後輩たちをたくさん気遣ってくださるんですが、その思いやりにも驚きました。ご自身の演技もあるのに、その準備を事前に終わらせて、どうすればそんなことが可能なんだろう? と思うほど全部を見ていらっしゃったんです。そのおかげで私はリラックスして自分の演技だけに集中することができたと思います」と感謝を述べた。また「映画で見ると私たち二人の相性が良かったです。雰囲気が少し似ているところもあって」とお互いの相性を評価し、「あえて余裕があったりかっこいいふりをされていませんでした。これはかっこいいカットだから、かっこよくやらないとと決めるのではなく、心のままにアクションをするのがとても印象的で素敵だったんです。その姿を見て『私もそう動こう』と思いました」と称賛のコメントを残した。

その一方で「例えば一緒に旅行に行った時、人々が座って話をしているうちに私は片付けを行うような……体を動かす方なんです。そうすると、他の人たちはどこか居心地が悪そうでした。それほど動くタイプみたいなんですけど……ジョンミン先輩はもっと動いていたんです」とし「最初は本当に驚きました。私が撮影が先でもすでにいらっしゃるし、衣装も全て着た上で『現場を見ておきたい』と言われて『私がもっと早く来なければならなかったのか?』と思いました。彼女は「私が後輩たちと撮影する時は、あまり早く行くことはやめようと思います」と冗談を言い、笑いを誘った。

これと共に劇中のカンムとミソンの前日譚について聞くと、「私たちだけで前日譚を考えてみたことがあります。実際のシーンにしてみようかと思って具体的な話もありました」とし「何か仕事をしていて、偶然事故が起きるのを見たんです。その時、とても素敵な男性が出てきて私を助けてくれたけど……それがカンムだったのかなと。私の目にはまるでチョン・ウソンのように見えたはずです。そこで恋に落ちて、結婚することになったと思いました」と笑った。

映画「クロス・ミッション」はもちろん、公開中のDisney+シリーズ「NO WAY OUT:ザ・ルーレット」を含め、彼女は大胆な演技と新鮮な魅力を披露している。これに対し、「どうやら30代前半頃に自ら固まり切ったイメージに対する考えを崩せたみたいです。似たような役が来るようになったことについて『有難い』『一つでもうまく出来ることがあればいい』と思いました。そうしているうちに様々な役でもオファーが来るようになったと思います」とし「『NO WAY OUT:ザ・ルーレット』もそうですし、『クロス・ミッション』もただやりたくて、面白いから参加しました。私がやったことがないキャラクターを演じるのが面白くてチャレンジしたんですが、もし、似合わないのになぜ演じたのかという反応があったらと、公開された時は心配でした。なので未だに反応も気になっているんだと思います」と打ち明けた。

バラエティ番組でも存在感をアピールしている彼女は、最近tvN「お姉さんの産地直送」を通じて話題にもなった。「本当に嬉しいです、本当に。これってどういうことなんだろうと……でもとても感謝しています。出演メンバーたちも幸せに感じていて、反応が良いのがどれほどありがたいことなのか私も初めてで分からないのですが」と感想の気持ちを伝えると共に「大変ではあります。日焼けしたら肌も元に戻りませんし。でも、後悔することはなく、私と合っていると思います。遊んでばかりではつまらないなと思いつつ仕事もするし、ご飯も作って、やっぱり遊んだり……掃除もしたり」と微笑みを浮かべた。

続けて「バラエティ番組であれ、作品であれ、常に覚悟は忘れません。任されたことに最善を尽くそう、出来ることは頑張ろうという主義です」とし「実はバラエティ番組も映画も、ドラマもこれまで着実にやってきたことが突然公開されただけで、今は暇なんです。なのでもっと演技がしたいです。良い作品があるかずっと見ています」と近況を伝えた。

今年でデビュー34年目を迎えた彼女は「現場もクリーンになってきています。あらかじめ決まった時間だけ撮影していますが、以前は3日間徹夜したりしました。最近ではそのようなことはないので負担を減らすことが出来ています。人にはそれぞれの意見があるので以前は人と人がぶつかることも多かったですね」と過去を振り返り、「時間がとても速いです。いつこうなったんだろう? と思いますし……34年って言ったら、 すごいじゃないですか。自分自身を振り返ると、よく分からないんです。私が何をそこまでしたのか? と思いますし、あまりに早くここまで来ましたね。ただ、どこへ行っても先輩よりは後輩が多いんですよ」とユーモアも見せた。

また、彼女は「私は女優の他に別の職業を考えたことがあります。でも別の仕事をするのは想像がつかなくて、出来なかったらただの専業主婦になっていたと思います」とし「現場にいても家にいても最善を尽くし、ここにいる時はこれを頑張ってなど……このように仕事と日常のバランスを取っています。私にとって今頑張っている、活動している全ての俳優の方がロールモデルで、そんな皆さんのようになりたいです。ただ私は長い間働きたくて。現場で後輩たちと同僚たちと仕事をするのが、とても面白いんですよ」と演技への情熱を表現した。

最後に彼女は映画「クロス・ミッション」について「家で気軽に見られる映画で、お子さんたちとご覧になるのも良いと思います。悪影響もなく、コメディもアクションもある面白い映画です。時間があればぜひご覧になってほしいです」と呼びかけた。

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