山下美夢有が父の日にツアー10勝目「コーチの父に結果で恩返しできてうれしい」

2023年06月18日 20:03

ゴルフ

山下美夢有が父の日にツアー10勝目「コーチの父に結果で恩返しできてうれしい」 — ＜ニチレイレディス・最終日＞万歳で記念撮影をする山下（撮影・藤山　由理） Photo By スポニチ

【女子ゴルフツアー　ニチレイ・レディース最終日（ 2023年6月18日千葉県　袖ケ浦CC新袖C＝6621ヤード、パー72 ）】単独首位で出た山下美夢有（21＝加賀電子）が3バーディー、ボギーなしの69で回り、大会コースレコードに並ぶ通算17アンダーで逃げ切り完全優勝を飾った。

　今季4勝目、ツアー通算10勝目。21歳320日での通算10勝到達は宮里藍（20歳105日）に次ぐ歴代2位の年少記録。

　記念すべき勝利はコーチでもある父・勝臣さんにささげる。山下は優勝スピーチで「父の日に10勝目を挙げることができてうれしい。コーチである父はいつも支えてくれて、ゴルフ以外でも私のために頑張ってくれている。結果で恩返しできてうれしい」と言って大粒の涙をこぼした。

　母の日はRKB×三井松島レディースで、岩井姉妹とのプレーオフに敗れて2位で終わった。父の日は同じく岩井姉妹と最終組で争うことになり「父の日に優勝して恩返ししたい」と決意してティーオフを迎えた。

　昨年の父の日には、自身と母・有貴さんとお揃いでフランスの高級ブランド「ブシュロン」の指輪を贈ったが、今年のプレゼントは優勝と決めていた。

　前半はパットが決まらずなかなかスコアを伸ばせなかった。それでも正確なショットでチャンスをつくる。5番で残り139ヤードから9Iで50センチに付けてバーディー。2打差に迫られた10番パー5は残り31ヤードの第3打を2メートルに付けて、13番では残り154ヤードから9Iで1メートルにぴたり。要所でバーディーを奪い、岩井姉妹を突き放した。

　勝臣さんは「毎週勝ってほしいと思っています。勝利数は全く意識していなかった」と照れくさそうに話したが、父としてコーチとして、5歳でゴルフを始めた山下をサポートしてきた。ジュニア時代は仕事を終えた後、午後8時から午前0時頃まで練習に付き合った。ミスショットをしてハウスキャディーに当たってしまった時には厳しく叱った。

　完全優勝をアシストしたのも勝臣さんだった。初日はショットが乱れていた。2日目の朝の練習で「テークバックでインサイドに上がって、アウトサイドから下りている」と指摘。クラブの軌道を修正したところショットの感覚が戻ってきた。

　山下は「父がいなければ私もここまで成長できていない」と感謝の気持ちを表した。

　今季は16試合で4勝。最近6試合は全てトップ3入りし3勝と抜群の安定感を誇る。好調の要因について山下は「100ヤード以内の練習を主にやっていたので、それが良い結果につながっている」と分析した。

　今後は海外メジャーにも挑戦する。7月の全米女子オープン、8月のAIG全英女子オープンの出場資格を持つ山下は「世界は全然レベルが違う。昨年も行ったけど、強い選手がたくさんいて勉強になった。今年もリベンジに行くので、優勝争いできるように自分らしいゴルフで頑張りたい」と力を込めた。