【バスケW杯】日本　世界3位に大健闘　豪に敗戦も明日から順位決定L　渡辺「ここからが本当に勝負」

2023年08月30日 05:30

バスケット

【バスケW杯】日本　世界3位に大健闘　豪に敗戦も明日から順位決定L　渡辺「ここからが本当に勝負」 — ＜日本・オーストラリア＞24得点の活躍を見せた渡辺（右、AP） Photo By ＡＰ

【バスケットW杯1次リーグE組日本89―109オーストラリア（ 2023年8月29日沖縄アリーナ）】世界ランク36位の日本は1次リーグ最終戦で同3位のオーストラリアに89―109で敗れ、1勝2敗のE組3位で17～32位決定リーグに回ることが決まった。1次リーグの成績を持ち越し、31日にF組4位、9月2日にF組3位と対戦する。アジア勢6チーム中5チームの17～32位決定リーグ行きが決まり、30日に試合を残す中国も2次リーグ進出は極めて厳しい状況。パリ五輪切符を懸けたアジア最上位争いは17～32位決定リーグにもつれ込む可能性が高くなった。

　打ち合いを挑んだ。序盤はミスが目立ち、前半を終えて22点ビハインド。厳しい展開でも諦めず、後半は一気にテンポアップした。馬場の3点シュートや渡辺、富永の個人技、ガード陣とホーキンソンの連係など第3Qだけで一挙35得点。満員7374人の観衆の後押しも受け、後半のスコアは54―52。24得点の渡辺は「前半は力の差が出た。ただ、後半は2点勝っている。最後までどんな展開になっても諦めないのが、日本のバスケ。ここからが本当に勝負。次の試合、絶対に勝ちます」と前を向いた。

　指揮官は第1、2戦から先発2人を変更。歴史的白星を挙げた27日のフィンランド戦で出色の出来だった河村、比江島を開始から送り出したが、NBA選手9人を擁する大国に阻まれ、河村が3得点、比江島も2得点に終わった。采配は的中しなかったが、女子日本代表を率いて銀メダルを獲得した21年の東京五輪も6試合で3パターンの先発を採用。好調な選手を積極起用する姿勢はブレない。

　生命線の3点シュートは33本中10本しか入らず成功率30％。10本打って1本も決められなかった富永が当たっていれば、大金星を挙げても、おかしくなかった。67年大会以来の同一大会2勝目はお預けとなったが、指揮官は「このチームに自信を持っている。アグレッシブに戦ってくれた」と選手を称えた。

　目標はアジア最上位に与えられる来夏のパリ五輪切符獲得。アジア勢は30日に試合のある中国が唯一2次リーグ進出の可能性を残すが、条件は厳しく全6チームが17～32位決定リーグに回る可能性が高い。1次リーグの全成績を持ち越すため、アジア勢で唯一の白星を挙げて最上位につける日本は優位な立場だ。

　得失点差も重要になるだけに、富樫は「前半の結果から20点差で終われたのは大きい」と強調。5戦全敗で31位に終わった前回19年大会を知る馬場は「4年前とは違う。日本のバスケはこうだというのがある。希望しかない」と前を向いた。ここからが本当の勝負。明確な目標に向かい、残り2戦を戦い抜く。

　▽17～32位決定リーグ　1次リーグの各組下位2チームの計16チームで争われる。1次リーグ8組を2組ずつ統合。4チームずつ4組（M～P組）に分かれ、1次リーグで別組だった2チームと2試合を行う。日本が3位、フィンランドが4位となったE組は、きょう30日の1次リーグ第3戦で順位が確定するF組（ジョージア、スロベニア、ベネズエラ、カボベルデ）の下位2チームと統合され、O組となる。各組1位が17～20位、2位が21～24位、3位が25～28位、4位が29～32位。組順位も、最終順位も1次リーグを合わせた計5試合の成績で決定する。

　▽パリ五輪への道　W杯で各地域上位の計7チーム（欧州2チーム、米大陸2、オセアニア1、アフリカ1、アジア1）が出場権を獲得する。今大会出場しているアジア6チームで唯一白星を挙げている日本は最上位をキープ。30日に試合を残す3チームのうち、中国だけが2次リーグ進出の可能性を残しているが条件は極めて厳しい。
　たとえアジア最上位を逃して今大会でパリ五輪出場を決められなかったとしても、W杯の成績次第で世界最終予選（OQT、来年7月）の出場（19チーム）が決定。OQTはプレ予選を突破した5チームを加えた24チームが4組に分かれ、各組1位が五輪切符を得る。

　≪中国36点差以上の勝利必須≫
　▽中国の2次リーグ進出条件　1次リーグ第2戦を終えてB組首位のセルビアが3位南スーダンに勝つことが前提。その上で4位中国が2位プエルトリコ戦に36点差以上もしくは、117得点以上して35点差で勝つことが必要になる。