中日に総崩れの大関陣 玉ノ井親方「3大関は負けるべくして負けた。見ていてはがゆい」

2023年09月17日 19:43

相撲

中日に総崩れの大関陣 玉ノ井親方「3大関は負けるべくして負けた。見ていてはがゆい」
<大相撲秋場所・中日>隆の勝(右)に突き出しで敗れる霧島(撮影・藤山 由理) Photo By スポニチ
 【大相撲秋場所8日目   ○隆ノ勝(突き出し)霧島  ○宇良(はたき込み)豊昇龍● ○翔猿(押し出し)貴景勝● ( 2023年9月17日    両国国技館 )】 3大関は負けるべくして負けた。自分の相撲を取ろうとするのではなく、相手に合わせて取ることばかりを考えているから、そうなる。本当に見ていてはがゆい。
 霧島はまわしが取れないと簡単に引く。狙ったまわしを取れないのであれば、取れないなりにもっと工夫すべき。横に動いて、右でも左でも良いから食らいついていかなければ、隆ノ勝の出足を止めることはできない。カド番ということもあり、勝ちたい気持ちが強くなるのは分かるが、安易に白星を狙いすぎている。

 豊昇龍も自分の相撲を取って、勝ち切ろうという気持ちが足りない。だから、中途半端な立ち合いになる。宇良の態勢が低いのを見て、少し起き上がって上からはたきにいくような立ち合いをした。しかし、相手に残され前に出られると、慌てて押し返そうとした。だが、足がついていかず、あっさりはたき込まれた。本人が一番悔しい思いをしていると思うが、残念な相撲だった。
 貴景勝もらしくない取口だった。ケガの影響で足が思うように出ていかず、横に動かれると危なっかしい相撲になる。前に出る圧力が続かず、押してもすぐに左からいなそうとする。攻撃が単調でワンパターンだから動きを読まれやすい。案の定、翔猿は貴景勝が突っ張ってきても、おかまいなしに応戦。動き回って大関の出足を止め逆に押し出した。

 中日を終えてカド番の2人が3敗に後退し、新大関が4敗目を喫した。3人には横綱不在の場所を盛り上げる責任があるが、このままでは大関の看板倒れになってしまう。負けたくて、負けているわけではないのは百も承知だが、勝ちを意識する前に、まず自分の相撲を取り切ることに徹してほしい。それが一番の白星の近道になるからだ。  (元大関・栃東)

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