【ラグビーW杯】大畑大介氏 ラスボス堀江で先行逃げ切り 37歳HOに託したいスクラムでの主導権

2023年09月17日 04:55

ラグビー

【ラグビーW杯】大畑大介氏 ラスボス堀江で先行逃げ切り 37歳HOに託したいスクラムでの主導権
練習でライリーとボールを蹴りあう堀江(左)(撮影・篠原 岳夫) Photo By スポニチ
 【ラグビーW杯1次リーグ 】 【日本かく戦え 大畑大介 レジェンド展望】テストマッチのトライ数世界記録保持者で、日本人2人目のワールドラグビー殿堂入りを果たした大畑大介氏(47)が試合の見どころを語る「レジェンド展望」。過去10戦全敗の強豪イングランドとの一戦はフッカー堀江翔太(37=埼玉)に着目した。“ラスボス”の先発投入による先行逃げ切りを理想の形に挙げた。
 イングランド戦が最大のヤマ場という表現をよく見かけるが、W杯は全ての試合がヤマ場だ。一試合一試合、死に物狂いで勝ちにいく。それがW杯。この試合はとにかく相手より1点でも多く上回ればそれでいいし、そこに尽きる。スクラムの強さ、キック、ディフェンスの素早いプレッシャーがイングランドの3本柱。試合の組み立ても非常にうまいので、日本としては先行逃げ切りの形に持ち込みたい。

 それを表したようなメンバー構成になった。FW戦が占めるウエートはやはり大きく、日本はチリ戦から先発4人を入れ替えてきた。相手は当然、序盤からスクラムで揺さぶりをかけてくるのは間違いない。そこに経験値の高い堀江を、先発でぶつけてきた。堀江は本来、リザーブから後半投入されるパターンが多い。試合の大局を読み、劣勢の場面で勢いを吹き込む存在なのだが、序盤で主導権を握る上で、スクラムの駆け引きにたけた堀江に期待したい、という首脳陣の思いが見て取れる。

 FW第3列も役者がそろった。No・8姫野がコンディション不良から先発に名を連ねた。フィジカルの強い相手に対し、フィジカルの強い選手が戻ってきた意味は大きい。何より主将がグラウンドに戻ってくることでチームとしての士気が格段に上がる。出場停止処分が明けたフランカーのラブスカフニもチームプレーに徹することができる選手で、激しいディフェンスが持ち味。姫野とともにボール争奪戦で威力を発揮したい。

 イングランドで警戒したい選手は2人。アルゼンチン戦で全得点をキックで叩き出したSOフォードだ。フィジカルはそれほど強くなく、防御もやや弱い印象を受ける。日本は強いランナーを彼に当て、終始プレッシャーを与えたい。もう一人やっかいな選手はFBスチュワードだ。1メートル96の長身でハイボールにめっぽう強く、ランニングスキルも高い。ハイパントでの競り合いになると、日本は後手を踏むだろう。単純なキックの蹴り合いだと、ボールを奪われるリスクも高くなる。彼のポジショニングをうまく突く効果的なキックで崩したい。勝機はある。(元日本代表WTB)

 ◇大畑 大介(おおはた・だいすけ)1975年(昭50)11月11日生まれ、大阪市東淀川区出身の47歳。小3からラグビーを始め、東海大仰星―京産大を経て98年に神戸製鋼(現神戸)入社。02年12月にフランス1部リーグ移籍。03年に神鋼に復帰し、トップリーグ初代王者へ導く。W杯は99、03年大会に出場。テストマッチ通算69トライは世界記録。日本代表キャップ58。16年ワールドラグビー殿堂入り。現在は神戸アンバサダー。

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